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羅針盤が見当たらないコロナ禍の現代人向け

 番組はこの後でそれぞれの出演者がハマっている映画、YouTubeやラジオ番組などの様々なコンテンツが紹介される。なかには「おじさんがチャーハンを炒めているだけの動画」を観てしまうなどという話も出てきて、見渡せば、映像から音声から文字からコンテンツだらけという現代社会にあって、どうやっていいコンテンツに出会うかという指標になる番組だと思った。

 実はこの「コンテンツ・ラヴァーズ」という番組は、今回いきなり始まったというわけではない。

 顔ぶれを見る限りは、NHKが毎年正月に放送してきた「新春テレビ放談」という番組が前身になっているようだ。杉浦アナも、この番組の司会者として出演し、他局の人たち(2020年にはテレビ朝日の弘中綾香アナウンサー)とともに面白い番組について語り合っていた。2021年の正月は「あたらしいテレビ」と名称が変わったが、紹介される「番組」の中にNetflixなど配信サービスによるドラマなどがどんどん増えていて、時代の流れを感じていたところだった。

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神田伯山(NHK総合テレビ「コンテンツ・ラヴァーズ」より)

 今回、あえて「番組」とは言わず、放送局も配信ビジネスも同じ「コンテンツ」として紹介して、語り合おうというのが「コンテンツ・ラヴァーズ」の趣旨なのだろうと想像する。

 番組のラストは「コンテンツ・ラヴァーズ、またお会いしましょう!」と締め括られているので続編があるらしい。次回も楽しみだ。松本まりかがいつ「愛の不時着」のラスト2回を観終えるのかも含めて――。

 コンテンツにあふれる世の中で何をどう観ればいいのかわからない、と戸惑う人にもおすすめしたい。

 番組は、NHKプラスで8月24日(火曜)夜まで視聴可能。