毎月1000万人以上の読者が訪れる、インターネット最大手のポップカルチャー情報サイト「ナタリー」。そこで長年に渡り編集長を務め、また、数多くの後進を育ててきた著者による文章術の本が話題を集めている。

「ビジネス書の企画を探していたときに、ナタリーで記事の書き方の社内勉強会をやっていると知って興味を持ったんです。詳しく聞いてみると、検索エンジン対策とかネットに特化したノウハウではなく、書く前の準備とか、本多勝一さんの『日本語の作文技術』のような正攻法の文章術を教えている。そこで、それを元にした王道の文章術本を作ろうと思ったんですね」(担当編集者の瀧坂亮さん)

 発売直後から「バズった」(=「インターネットで話題になった」)本書。その結果を元にラジオ・新聞・雑誌での宣伝を展開し、読者層を広げた。

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「現時点での主な読者層は30代後半。そこに20代、40代が続きます。いわゆる働きざかりの人たちです。いただいた反響で『なるほど』と思ったのは、そうした方の中に、部下や後輩といった他人の文章を指導する立場の人が思いの外いることでした。そういう方が添削のチェックリストとして本書を使っている。また、元となった社内ゼミが文章と同時に仕事の段取りを教えるゼミでもあって、それが本の内容にも反映されている。文章力と同時に仕事力も身につく。その点も受けているように感じます」

2015年8月発売。初版6000部。現在3刷3万部