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2021/09/03

ゴミの量の少なさ、6年連続1位の長野

 1人あたりのゴミの量の少なさ、6年連続1位の長野について考察してみよう。長野県は、山に囲まれ、雪害に見舞われることも多々あることから、漬物など保存食が重宝されてきた。つまりわりと塩分摂取が多い県ではある。信州味噌が生まれる土地なので、生活の上で塩は切り離せなかったのだろう。しかしやがて便利なものに囲まれ、生活が変化していく中で、食生活が変わらなければ、それは生活習慣病につながる。その昔、長野県では高血圧からの脳卒中で亡くなる方も多かった。なのでこれではいけないと減塩運動が始まったという。具体的には「味噌汁は1日1杯」や「ラーメンの汁は残そう」など例をあげ減塩の意識を高めたという。同時に野菜を多くとろうなどと呼びかけ、全国野菜摂取率1位になれば、鬼に金棒的な長寿の後押し。元々、教育県ということもあり、情熱的なタイプの自治体で、それがゴミ減量の呼びかけにも及んでいると思われる。

 2位の滋賀県は琵琶湖があるということから、昔から環境意識が高いと言われている。琵琶湖に赤潮が発生する原因がリンだとわかると、リンが含まれている洗剤を使わないようにするために、家庭で使われた天ぷら油などの廃油を市民団体が集め、それで石鹸を作った。その石鹸であれば、赤潮が発生しないとのことで、この方法を浸透させたという。ここで学ぶべきことは、琵琶湖も放っておけば、そのままの琵琶湖が維持されるわけではなく、きちんと環境問題に取り組まなければ、琵琶湖は維持されないということだ。

 さて、何故そんなに琵琶湖を守らなければならないかといえば、滋賀県の方達にはこんな風習があるという。風邪引いたら鮒寿司食べろ、お腹痛かったら鮒寿司と言われているほど、湖魚は琵琶湖付近に住む人達にとっては薬代わりの大切な健康食品だった。食と長寿は直結していて、環境もまた食と深い関わりがある。その流れか健康について考える県民が多く、健康寿命の長さを知るために今では他府県からの視察も増えているという。そして環境を考えるところはゴミが少ない。

 3位の熊本もそうだ。本文で書いてあるので、詳しくは書かないが、かつて水俣病が発生した場所であり、環境と命を真剣に考え抜いた場所である。環境と寿命は類似語と錯覚するほど、重なり合う部分が多い。命に関わる環境をそのまま放置しておくわけにはいかない。水俣病はかつてメチル水銀を含む魚を食べることによって発症する公害であった。環境問題と命、食について向き合ってきた過去があったからか食塩摂取量の全国ランキングも男性41位、女性42位。

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