毎日の生ゴミ処理が面倒だったり、ゴミの分別がややこしかったり、ゴミについて苦手意識を持つ方は多いのではないでしょうか。しかし、日本全国には、「ゴミが消える魔法の道具」や「24時間営業の生ゴミボックス」など、ゴミに関するユニークな取り組みがたくさんあるんです。
そんなゴミの話をまとめたのが、ゴミ清掃芸人・滝沢秀一氏による『日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』(主婦の友社)です。同書から一部抜粋して、明日だれかに話したくなる、日本全国のちょっといいゴミの話を紹介します。(全2回の2回目/前編を読む)
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ゴミと寿命
「ゴミの分別の厳しいところに引っ越しちまったよー。引っ越す前に調べておけばよかったよ。だって道1本はさんだ向こうの街では分別甘いんだぜー。変なところ、引っ越しちゃったよ」なんて昔、友達が言っていたのを思い出した。気持ちはわからなくもない。皆さんの周りにもこんな友達が1人ぐらいいたかもしれない。
しかしゴミ分別に力を注いでいる地域に引っ越したほうが長生きできるかもしれないと聞いたらどうだろう? ゴミと長生き? はぁ? 何の関係があるの? こじつけもいい加減にしろよと思うかもしれない。しかしこれがまんざらデタラメな話ではない。正確に言うと、ゴミを減らすと寿命が延びるというある仮説があるのだ。
もちろんこれはまだデータ的に証拠が集まっているわけではない。証拠とデータさえ出そろえば、学界に突きつけてやろうと思っている(そんな学界あるの⁉)。これは僕が単なる思いつきで話し始めたものではなく、あの天下の日本経済新聞の2018年5月13日「時流地流」の記事に載ってもいる。とはいえ日本経済新聞さんも十分な検証とデータをそろえて論じていたわけではないので仮説の範疇を越えていないが、とても興味深い記事ではあった。
その記事には、1人あたりゴミ排出量が少ない順に、長野、滋賀、熊本、京都と並ぶが、ゴミが少ない県の平均寿命を調べると、男性平均寿命は、順に2位、1位、7位、3位と不思議にゴミが少ない県と長寿番付の上位が連動する……と綴られていた。
滝沢個人としてもこの記事を読んで、激しく縦に首を振る。過去に書いた拙著の中で僕は「ゴミは生活の縮図で、人格をも表現する」や「金持ちほど、ゴミのことを考えている」や「分別をしていない会社は6年以内に潰れる」「汚いゴミの中からは点数の低いテスト用紙が出てくる」などなどゴミと人間性、人格は相互関係にあると述べてきたので、この内容に十分うなずける。もちろん現段階では仮説の範囲内ではあるが、もしデータ等が出そろい、裏付けできれば、あなたもゴミ減量に協力してくれるだろうか? そうなってもらうためにはある程度の客観的なデータが必要だ。感情論で言えば、ゴミをちゃんとしている人=長寿であってほしいが、それだとフェアではない。