「爽彩さんが発見されても、警察は見つけた人の情報は教えない」
しかし、警察はそれを認めてくれず、『そもそも警察署に目撃情報が寄せられて、仮に爽彩さんが発見されたとしても、その見つけた人の情報は教えません。どうやって謝礼金を払うんですか』と言われたそうです。そこで、母親は自分たちで独自に作成したビラに新たに『謝礼金を出す』旨を明記して配ることにしました。警察にも配慮して、『謝礼金に関しては警察は関係ないため、事前に親族へご連絡ください』などと注意書きも加えました。
そのビラを街頭で配り始めたところ、また旭川東署から連絡が入りまして。『許可を出していません。一個一個チェックしますから一度ビラ配りを止めてください』と言われました。母親が『道警本部からは何も言われていませんが』と返すと、旭川東署の男性警察官は『僕の個人の意見です』と語った後電話を切った。なぜこんなことをするんだろうと母親は不審に思ったそうです」(同前)
初動捜査では周辺の防犯カメラ映像を重視していなかった
娘の身を案じ、不安な日々を過ごす母親と警察の温度差は明白だった。さらに母親や親族が警察への“疑問”を深めたのは、目撃情報に対する警察の発言と行動だった。
「最初は警察も爽彩が家出をしてすぐ帰ってくると思っていたのか、初動捜査で自宅周辺の防犯カメラを重要視していなかったようです。失踪後に爽彩をショッピングモールや近所のコンビニで見たという情報提供が親族の元へ数件あったんです。実際にお店に問い合わせてみたところ、『警察が来てくれたら防犯カメラの映像を提供します』と協力姿勢を示してくれたのですが、警察は何日間も防犯カメラの確認に来ていなかったようです。母親は警察に防犯カメラの映像を見に行ったか何度も確認しましたが、『(防犯カメラの映像を)見に行くかどうかはこちらの会議で決めます』と答えるのみだった。実際に映像を確認したのは失踪から1週間経った後だったと思います。
その後も、母親のSNSには『警察に防犯カメラの映像を情報提供しました』『警察は動いてくれましたか?』などメッセージが多く届きました。それで警察に確認の連絡をしたところ『情報が入っていたとしても教える義務はないです』という返事があるのみ。それでも食い下がって、些細な情報でも教えてほしいとお願いしても、『服やリュックなどの持ち物すべてが一致しないと(防犯カメラなどを)見に行くことはありません。あくまで有力な情報だとこちらで判断したものだけ捜しにいきます。それ以外のことに関してはお母さんには連絡しません』と断られたそうです」(同前)