1ページ目から読む
2/4ページ目

コカ・コーラの誇る“最強の強炭酸”は技術をアピール

 そのひとつが、5月に発売された“日本コカ・コーラ社史上最強”の強炭酸水「アイシー・スパーク from カナダドライ」だ。プレーンの「アイシー・スパーク」(500mlPET)と、凍結レモンピールエキスを使用した「アイシー・スパーク レモン」(490mlPET)の2種類が展開されている。

日本コカ・コーラ史上最強の強炭酸をうたうアイシー・スパーク(公式HPより)

 一般的に、炭酸ガスなどの気体は、水の温度が低ければ低いほど溶けやすいという特性がある。その性質に注目し、“冷却スパーク技術”によって製造時の冷却工程を改良。過去最高のガスボリュームの圧入に成功したことで、日本コカ・コーラ社史上最強の無糖強炭酸水が開発できたという。

 同社は開発にあたって、炭酸水ユーザーの声をきき、大きく2つのニーズがあることを突き止めた。ひとつは、“本当に強い炭酸の刺激でリフレッシュしたい”という根源的な価値の需要。もうひとつはどの製品も強炭酸を訴求していて、“どれを選んでいいかわかりづらい”という声が多かったことだ。そのため、“強炭酸を実現できた理由やその裏にある技術”を伝えることで、広く認知してもらうことを目指したのだという。

ADVERTISEMENT

 この戦略が功を奏し、2021年5月10日の発売後、累計出荷本数ベースでは3週間で1600万本となった。日本コカ・コーラの担当者は、ユーザーに支持されている背景について次のように語る。

「コロナの影響により、手軽で健康的なリフレッシュを求めている消費者が増加し、そこで浮かび上がってきた“強い炭酸”を求める無糖炭酸水ユーザーのニーズにマッチした製品を開発できたと考えています」

炭酸水の生産量推移(一般社団法人 全国清涼飲料連合会調べ)

“顔”を大きく変えたサントリーの「五感」戦略

 炭酸水市場でナンバー2のサントリー食品インターナショナルは、「THE STRONG 天然水スパークリング」(510mlPET、1050mlPET)を6月末から発売。非常に好調な売れ行きとなり、2021年1-7月累計の同社の天然水スパークリングブランドの販売数量は約2割増となった。

 同社はこれまでも「天然水スパークリング」を展開してきたが、“雪解け水のような澄み切ったおいしさ”という「サントリー天然水」の安心・安全なやさしいイメージが表に出てしまい、強炭酸感が伝わり切らないことが課題だったという。そこで、新ブランドを立ち上げ、極限まで刺激を突き詰める開発に取り組んだのだ。同社の担当者は「コロナ禍をきっかけにまん延する、閉塞感やストレスに対し、新商品を開発して発散の一助になりたい」と語っている。