1ページ目から読む
4/4ページ目

フレーバー人気も続く炭酸水市場…なぜこんなにもウケているのか

 今年はプレーンタイプで各メーカーの猛攻が続いているが、もちろん、昨年「主役」だったフレーバータイプの勢いも侮れない。

フレーバー入り炭酸水の生産量推移(一般社団法人 全国清涼飲料連合会調べ)

 

 たとえば、昨年とくにラインナップが増加したレモンフレーバーの炭酸水。すでに多くのファンがついており、主力ブランドからもそれぞれレモンはラインアップされているが、なかにはレモンを中心に展開するブランドもある。

ADVERTISEMENT

 キリンビバレッジは、「キリンレモン無糖」(450mlPET)を、2021年4月から中味・パッケージをリニューアルして発売し、幅広い世代から人気を集めた。7月単月では前年比約2割増と昨年を大きく上回っている。「あまくないのに、キリンレモンの味わいを楽しめる」がコンセプト。担当者は、「市場浸透を図り、コロナ禍で加速する健康・リフレッシュニーズに応えていきたい」とする。

キリンレモン無糖

 ポッカサッポロフード&ビバレッジは、2020年の期間限定販売時にヒットした「キレートレモン 無糖スパークリング」(500mlPET)を3月末から定番品として展開したところ、前年を上回る売り上げで推移している。レモンに強い企業としての強みを活かし、レモン1個分の果汁が入った無糖炭酸水となっていることが差別化ポイントだ。

キレートレモン 無糖スパークリング

 異色の存在でいえば、伊藤園が7月から展開している「カテキンGO!SPARKLING」(500mlPET)も面白い。緑茶成分”カテキン”が1本(500ml)あたり80mg入っており、「お~いお茶 緑茶」コップ約1杯分(200ml)と同じレベルのカテキンが入った無糖炭酸水である。炭酸水市場は、健康志向の高まりから需要が伸びた側面もあり、お茶に関する知見と経験を活かした伊藤園ならではの提案は、市場の新たな選択肢になる可能性もある。

 無糖炭酸水市場は、コロナ禍でも継続的に伸長しており、清涼飲料市場の中でも最も元気なカテゴリーである。新型コロナの影響で、運動不足への懸念も含めて健康志向がより高まっているため、無糖という健康感と、炭酸の刺激によるリフレッシュという独自の価値で、炭酸水のユーザーはさらに増加するだろう。飲料各社も積極的に新商品やリニューアル商品を投入しており、まだまだ市場ははじけそうだ。