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巨大地下街、混在する駅名、オカルト怪談…“超難度ダンジョン駅”「大阪」には何がある?

大阪、梅田、西梅田、東梅田…「大阪」の“それは一体どこなんだ問題” 前編

2021/08/30

genre : ライフ, 歴史, , 社会

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巨大な大敵「ホワイティうめだ」

 そして、この大阪駅・梅田駅の地下にはもうひとつの大敵が待ち受けている。地下街、である。

 大阪駅・梅田駅の地下には、いくつもの地下街が広がっている。駅ビルや百貨店の地下はともかくとして、それ以外にも阪急三番街・ディアモール大阪・ホワイティうめだという地下街がある。中でもやっかいなのが、ホワイティうめだである。

 

 ずいぶん前のことだが、打ち合わせでホワイティうめだの中にある喫茶店を指定されたことがある。大阪の地下街に不慣れなことを知ってか知らずか。こちらもまだホワイティうめだが迷宮であることなど知らなかったから、なんとなく地下街の中に行けば見つかるだろうと思っていた。

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 ところが、そもそもホワイティうめだがどこにあるのかもわからない。なんとかたどり着いたとて、目的の喫茶店がどこにあるかがわからない。あろうことかホワイティうめだはめちゃくちゃ広い。なんでも、日本でいちばん利用者数の多い地下街だという。だから人通りも多いし店も多い。延々とさまよい歩いても、目当ての店はみつからない。まだ先にあるのか、それとも通り過ぎたのか。もはや遭難ではないのか。

「泉の広場」なるものがあるというが…

 聞けばホワイティうめだの最先端には「泉の広場」なるものがあるという。地下街砂漠の中のオアシスのような名前だ。きっと憩いの広場なのだろうと思って調べてみると、ナゾの赤い女が現れるとかいうオカルト談が見つかった。もうこれは、大阪素人が気軽に歩いていいところではないのではなかろうか。「white key」を歌う鈴木アミーゴはかわいかったが、大阪梅田のホワイティは牙をむく。1日に50万人を超えるホワイティうめだの利用者は、みなプロ中のプロなのだ。

 

 ……と、まあとにかくホワイティうめだをはじめとする大阪・梅田の地下街はわかりにくい。広いがゆえに、慣れないと決まって迷う。くだんの泉の広場から地上に出ると、そこは新御堂筋と扇町通の交差点。もう大阪駅前の面影はなく、地上に出たらすぐにもとに戻れるだろうという期待も裏切られてしまう。やはり、不慣れな人が大阪駅、梅田駅にやってきたら、うかつに地下には潜ってはならないのである。

 

 ここまで来ると、もう大阪駅がどうのこうのという話ではなくなっている。どこからどこまでが駅なのかもわからない。大阪駅がややこしいというよりは、そもそも大阪駅や梅田駅を中心とする“キタ”がややこしい。いや、大都会って道に迷いやすいよね、というだけの話なのかもしれない。いったいこの解決方法、ないんですかね……。(解決編に続く)

写真=鼠入昌史

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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