――タモリさんが言われると納得感がすごいです。
森口 最近も「以前は簡単にできたことが、年齢が上がって時間がかかるんです」って相談したら、「昔できていたことが正解とは限らないから。今できることを一生懸命やればいいんだよ」と言っていただき、すごく楽になりました。
――出身の中学校が同じ、という“縁”なんですよね。
森口 他にも高橋真梨子さんや華ちゃん(博多華丸)、氷川きよしくんも中学校が同じで、こんな状況になる前はタモリさんがご自宅でたまに同窓会を開いてくださって、地元トークでよく盛り上がりました。またお邪魔できるといいなぁ。
井森美幸とは「お互いを褒め合ってます(笑)」
――森口さんというと、井森さんとのコンビも印象的です。
森口 井森とは親友で、今でもたまに電話してはとにかくお互いを褒め合ってます(笑)。常に井森ワールドのエネルギーは最高とか。2年前にアルバムの「GUNDAM SONG COVERS」がオリコンウィークリー3位に入ってレコード大賞企画賞をもらった時も、『花村ががんばってきたことが誇らしい』と言ってくれて、10代からの友情を感じてグッときました。
――歌を褒めてもらうのが嬉しさとしてはやはり一番ですか? 8月にはオリジナルアルバム「蒼い生命」もリリースされました。
森口 そうですね。他のお仕事も大事ですけど、4歳からの夢である歌手は核で、コンサート含め譲れない居場所です。「蒼い生命」は24年ぶりのオリジナルアルバムです。カバーアルバムで再注目していただき、「次はオリジナルですね」とファンのみんなの声が形になり、幸せです。このご時世離れていても心で繋がることが生命線だという想いを込めました。新曲は全曲作詞にも携わりました。大好きな神前暁さんの切なくて美しいメロディに、今年閉園される地元福岡の遊園地「かしいかえん」へ感謝の気持ちを綴った楽曲や、デビュー曲のセルフカバー「水の星へ愛をこめて~35人の森口博子によるアカペラヴァージョン~」も収録されています!! 当時、売野雅勇さんが哲学的で美しい歌詞を書いてくださったんですが、今回のアルバムの「蒼」はこのデビュー曲の歌詞にも使われていて、裏テーマはデビュー曲へのオマージュ!!なんです!!
――そうだったのですね! 35年越しのセルフオマージュとは気づきませんでした。
森口 森口博子の方程式は「ガンダム+オリジナルポップス+テレビ+ラジオ+舞台」と色々ありますが、原点でもあるアニソンのパワーは本当に無限です。「Animelo Summer Live 」「KING SUPER LIVE 2015」「KING SUPER LIVE 2018」などのフェスでさいたまスーパーアリーナや東京ドーム、台湾で歌わせていただいた時も、揺るぎないファンのみんなの熱量に、魂震えました。水木一郎さんや堀江美都子さん、影山ヒロノブさんたち先輩が届け続けてくださった最高の文化、やっと時代が追いついたのかなともと思いますね。