――賞レースに向けた作戦ということですか?

伊藤 『M-1』の決勝戦に最初に行った年は知名度ゼロからのスタートだったので、いいネタを作るのはもちろんのこと、がんばってることをアピールして見る人に味方になってもらうのも手だと思ってました。『M-1』に行けた要因のひとつでもあると思いますね。

――「この人に頑張ってほしい」という空気はありますよね。

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伊藤 ありますね。でも今はある程度知られてきたし、違うところの戦いになってきてるんで前ほどやらなくてもいいのかなとは思います。1年目は、Twitterに「絶対にM-1に行くんだ」ということを書いて周りを巻き込んでいったし、ほんとに勝ちたいなら、最低限やることのひとつだと思ってました。

Ⓒ文藝春秋 撮影・末永裕樹

畠中 それをダサいと思う人もいるかもしれないけどね。俺は伊藤がやってくれるから、それに任せてる感じです。

伊藤 畠中はそういうことはあんまりやりたがらないし、向いてないから俺がやればいいかなって。

「でもコイツちょっと舐めてるんですよ!」(伊藤)

――やれることはやるという意味で、『M-1』や『ABC』などの前はホテルに寝泊りしてたんですよね?

畠中 僕らがそれぞれルームシェアしてるってこともあって、大会前に体調を崩したりするのもいやですからね。

Ⓒ文藝春秋 撮影・末永裕樹

伊藤 でもコイツちょっと舐めてるんですよ! 『M-1』の時は吉本がホテル代を出してくれて泊まったんですけど、『ABC』も自主的にやったほうがいいねって伝えたら、ぜんぜんホテル泊まろうとしてなくて。

畠中 お金が出てないからね。

伊藤 去年とは稼ぎも違うし、お金の問題じゃないでしょ! コイツは『ABC』の公式アカウントの引用リツイートも舐めてたんですよ。俺は「ラストイヤーなので取りに行きます」って書いてるのに、コイツ何てリツイートしたと思います?「イヤッフー!」って書いてたんですよ。絶対『M-1』ではそんなことしないのに。

畠中 俺の『ABC』にかける思いが分かってないな。悲しいです……(笑)。 (#2につづく)

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