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車両事故111件、隔離期間なしで活動するスタッフにバブルは穴だらけ… 元組織委職員が語る東京オリンピックの“虚構”

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2021/09/10
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隔離期間なく歩き回る海外の関係者たち

 最初に衝撃を受けたのが、OBS(オリンピック放送機構)と、計測関係を担当するOMEGAスタッフの存在だったという。OBSは国際オリンピック委員会によって2001年5月に設立された、オリンピック・パラリンピック放送のホストブロードキャスター、OMEGAはオフィシャルタイムキーパーである。OBSが撮影した競技映像にOMEGAが計測したデータをつけて、契約した国内外メディアに渡す仕組みになっている。組織委が7月に開示した資料によると、OBS関係者の入国者数は約1万1900人だ。(OMEGA個別の数は不明)

「彼らの中には入国後14日間どころか3日間の隔離もなく、到着翌日から会場内で活動したスタッフもいました。彼らがいなければ競技映像の撮影もできないから止めることもできませんし、現場もかなり緊張しました」

 これは私にとっても衝撃だった。隔離期間をおかない海外からの関係者がかなりの数歩き回っていたのである。

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(組織委員会はOBS、OMEGAスタッフについて「隔離期間がなかったのではなく隔離期間の間であっても一定の条件の下、限られた場所で限られた活動が認められたものであり、隔離に準ずる措置を取るよう求められていたものと理解しています。 ホテルの自室を一歩も出てはならないとされる期間の長さについては、到着日のみのケース、到着日と翌3日間を含むケース、14日間とするケースなどがあり、個別の業務の実態に応じて判断されました」と回答) 

©JMPA

 東京2020では新型コロナウイルス感染対策の規則集として、選手・チーム役員、メディア、スポンサーといった大会関係者ごとにプレイブックがまとめられた。食事や競技中をのぞくマスク着用、出入国や検査の流れなどのルールの他、「可能な限り接触を回避するため、運営上必要不可欠な者に厳に限定して、アクレディテーションを発行し、会場へのアクセスを制限します」など細かく行動ルールが記してある。