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「もしかして彼女が噂の“おもてなし”担当?」ドイツ公共放送で働くマライさんが東京オリンピックで再確認した日本の不思議

マライ・メントラインさんインタビュー #2

「東京オリンピックはヨーロッパから見て『無』だった」という衝撃の事実を教えてくれたマライ・メントラインさん。

 ドイツの公共放送・ドイツ第2テレビのプロデューサーとして東京オリンピックを取材する中で、来日したスタッフとともに多くの「日本の不思議な習慣」に直面したという。猛烈な湿度以上に、ドイツ人スタッフたちを驚かせたものとは……?(全2回の2回目/前編を読む)

マライ・メントラインさん

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――17日間のオリンピック取材おつかれさまでした。振り返っていかがでしたか?

マライ 始まる前は心配していたのですが、「想像以上にちゃんとしていた」というのが終わってみての感想です。ドイツから来たスタッフも「国際的なスポーツイベントとしては感動的にスムーズだった」と驚いていました。日本にいると忘れがちですが、現場のスタッフの責任感やシステムを運用する力は今でもとても高いですよね。

――それは少し意外でした。どんなところがスムーズだったんでしょう。

マライ 今回のオリンピックは何をするにもコロナ対策が必要で、初めてのことばかりでした。選手をスタジオに呼ぶのが難しかったり、インタビューでマイクに長い棒をつけたりとか。でも不満の声はほとんど聞きませんでした。現場のスタッフもみんな親切で、与えられた仕事をみんなが120%こなすのは日本人の特徴ですよね。

メディアブースは屋外なのでとにかく蒸し暑い マライさん提供

話題をさらった「役目がわからない女性」

――逆に不満なところもありましたか?

マライ 国立競技場のメディア席が屋外でとにかく暑いとか、湿度がとんでもないとか、食事や飲み物が届かないとか、情報共有が遅くて開会式の来賓客の名前が分からないとか、小さな不満はもちろんいっぱいありましたよ(笑)。それでも運営全体としては、まぁまぁ悪くなかったと言えると思います。あとドイツ人スタッフの間では、「役目がわからない女性」がちょっと話題になってましたね。

――どういうことでしょう。

マライ 東京ビッグサイトのメディアセンターの入り口に若い女性が立っていて、「Hello」とか「Have a nice day」とか声をかけてくれるんですけど、それ以外の仕事をしている様子がなかったので、いったい何者だろうと話題になりました。私たちの中では「もしかして彼女が噂の“おもてなし”担当では?」という結論になったんですが。