学研といえば、学習参考書の老舗。学生時代、定評ある「ニューコース」で勉強した方も多いのでは。その「ニューコース」と同じ編集部から飛び出した『ボカロで覚える 中学歴史』『同 中学理科』が、2冊揃って大ヒットを記録中だ。

 本書の画期的な点は、学習内容と連動させて、人気ボカロP(ボーカロイド〔歌声合成ソフト〕を用いた自作曲を発表するアーティスト)の楽曲が流れる動画が楽しめること。

「今の中学生は、動画サイトの普及によって、『音楽は見て楽しむもの』という意識が強いんです。いわば『PV(プロモーション・ビデオ)世代』。また同時に、ボカロ小説(ボーカロイドの楽曲を元に執筆された小説)のブームを経由して、ボーカロイドの楽曲に親しんでいる世代でもあります。そうした分析から、ボカロのクリエイターたちとコラボした新しい参考書が作れないかと考えて、生まれた企画でした」(担当編集者の八巻明日香さん)

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 切り口はポップだが、学習事項に手加減一切なし。老舗ならではの手堅い作りで、読者の評判も上々だ。

「ボカロ曲はもともと、歌うことと親和性が高いんです。難しい曲を歌いこなすため、繰り返し聞くうちに歌詞を覚え、内容も身についた。そんな反響が寄せられています」(八巻さん)

 友達や家族と一緒に、歌って学べる。そんな新しい形の参考書は、夏休みの学習にもぴったりだ。

ボカロで覚える 中学歴史 (MUSIC STUDY PROJECT)

学研プラス(著)

学研プラス
2016年4月19日 発売

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2016年4月発売。初版2冊計4万部。現在2冊累計7刷32万部