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中学生から「パンツいりませんか?」と…

 尚斗さんは「自分が振って、相手に返させる」ような会話で個人情報を聞き出したという。たとえば「僕は横浜に住んでます」と自分の話をしたあとで、「キミはどこらへん?」と尋ねて居住地を返答させる。「僕は大学生だけど、キミは何年生?」と振って学年を聞き出したら、学校での活動や友達関係などの話題につなげていく。相手の話に応じて、「がんばってるね」とほめたり、「僕もそうだったから、気持ちわかるな」と共感したりすると、たちまち警戒を解く女の子も多かった。

「距離が縮まったら、『楽しかったけど、これ切ったらもう話せない。寂しいな』とか言うんです。たまたまつながってることを逆利用するっていうか、実際なんにもしないで切っちゃったら同じ相手とはもう話せない。そういう仕組みって、お互いにいい感じになった場合には『連絡先、交換しなくちゃ』って焦りやすいと思うんですよ」

 すぐに切れる関係性は、反面では「切ったら終わり」だ。このまま終わるのは寂しい、そんな相手の気持ちを突いてまずは自分の電話番号を伝える。「お願いだから1時間以内にかけて。待ってるから、絶対だよ」と念押しすると、8割くらいの確率で女の子からの連絡があったという。

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「そこからはショートメッセージとか、LINEでやりとりするとか、個人的につながる方法はいくらでもありますよ。僕はヘタなことして逮捕とかされたくないんで、小中学生とはリアルで会いませんでした。ただ、女の子たちは『誘ってください』とか、『前にも男の人と会った』とか平気で言ってくる。『パンツいりませんか?』って下着を売りつけようとする中学生の子もいました」

オンラインゲームの会話も音声へ

 かつて中高生の間で人気を集め、800万人もの利用者数を獲得した『ひま部』(2019年12月サービス終了)というSNSは「学生限定」。つまりおとなの参加が禁止されている子どもだけのSNSだが、ここでも「だれ通(誰でも通話ができる)」、「だれビ(誰でもビデオ通話ができる)」という機能があり、つながった相手と会話(ビデオ通話)ができた。

 国内で最大のSNSであるLINEにも、通話やビデオ通話機能が備わっている。こんなふうにSNSでのコミュニケーションは、すでに文字でのやりとりに限らない。互いの声を聞いたり、表情を見たりして、より関係性を深められるようになっている。

 コミュニケーションの広がりは、オンラインゲームも同様だ。仲間と一緒に闘ったり、ゲームを通じて友達を作ったりするソーシャルゲームでは、一部に「ボイスチャット」という機能が備わっている。