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 3人育児となると、幼い蓮翔ちゃんと姫奈ちゃんを優先する場面が多かったことだろう。しかし田中被告は罪悪感を持っていたようだ。養子である大翔くんについて、実子と差別をしたわけではなかったと何度も繰り返し主張した。

(「FNNプライムオンライン」5月6日配信より)

「大翔のことを自分の子供じゃないと思ったことは一度もないです。大翔に期待をしすぎてしまったということもあったと思います。自分みたいになってほしくなかったから。あの時もっと勉強をしていればよかった、野球を続けていてればよかった……。自分の人生にそうゆう思いがあるから、大翔には厳しくしすぎてしまったところはあると思います」

 しかし大翔くんに対して行った仕打ちを考えると、それも言い訳にさえならない。全国紙社会部記者によると「大翔君の遺体には大腿部に打撲、全身にあざがあり、田中容疑者は『頭や腹を殴ったり、膝蹴りしたりした』と供述していました」という。

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 田中被告は子供へ強い愛情を向ける一方で、A子さんとの離婚後、子供たちのために周囲の手を借りることはなかった。仕事を辞めて3人の育児を抱え込み、結果、この事態を招いてしまった。

 田中涼二被告インタビュー#4で田中被告自身と両親との関係について「父はほとんど仕事、帰ってきたら酒。たまの休日は朝から飲んでいて、目が合うと殴ってきました。母も自分の美容室を持っていて、仕事ばかりでした」と語っている。こうした経験が彼の子供への想いに何か作用したところがあったのかもしれない。

 面会の最終盤に「なにか言いたいことはないか」と記者が尋ねると、田中被告は「子供たちを最後まで見たかったです。大翔、蓮翔、姫奈……。とにかく謝りたい。子供に」と吐露した。

田中容疑者らが使用していた子供用品 ©文藝春秋

田中被告「子供が生まれたときが一番楽しかった」

記者「どの子ですか」

田中被告「みんなです。子供の笑顔は何にも代えられないんです」

「これまで何度も離婚して子供と無理やり離されてきました。だから自分の中でも蓮翔、姫奈とは離れたくないという思いが強かった。年齢的にももう最後の子供だと分かっていましたし。これまでの経験もあって、蓮翔と姫奈を巻き込むという最悪の結果を起こしてしまったんです。

 一人で死ぬことを考えていたときにも、離れたくないって2人は言ってくれて、心中するしかないと。なんで預けるということができなかったのか。そもそも大翔への暴行をなんで止められなかったのか。いま一人になって考えると、後悔しかありません」

 田中被告の子供への愛情に偽りはないようだったが、その愛は無責任で幼稚だ。初公判はまだ半年以上先になる見込みだが、田中被告はそこで、何を語るのだろうか。

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