1999年に日本に上陸したアメリカ発の電子ペット「ファービー」。ファービーに話しかけたり、抱きしめたりすると、話せる言葉が増えていく“おしゃべり天才ペット”として人気を博し、日本国内だけで330万個を売り上げた。初代ファービーが発売されてから20年以上が経過した今も、数年に1度新作が発売されたり、SNSでファービーの写真がバズったりと、度々注目を集めるおもちゃだ。
前編ではファービーとファービーを愛する“界隈”が歩んできた歴史を紐解いたが、後編ではファービーをめぐる日々の活動について愛好家たちに語ってもらった。(前後編の後編/前編から読む)
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全日本ファービー連盟とは
全日本ファービー連盟、通称「全ファ連」は、ファービーを愛する者すべてに門戸が開かれている団体だという。いったいどんな活動をしているのか……代表の黒ヘギョさんにコンタクトをとった。
「とくに規定はありませんが、ファービー好きな人たちがファービーと旅をしたり、ファービーにおめかしをしたり、話しかけたり……。強いて言うなら“ファービーと幸せそうに過ごす様子をみんなに共有する”のが主な活動かもしれません。
それだけで充分なのですが、せっかくSNSでつながれたので感謝の気持ちとして全ファ連の『オリジナルステッカー』や『ギターピック』を作ってメンバーにお配りしてます」
全ファ連はとても穏やかな団体のようだ。実際黒ヘギョさん自身も旅行先や外食先など、ファービーとともにさまざまな場所に足を運び、ツイッターに写真を投稿している。黒ヘギョさんとファービーの出会いは11年前に遡る。
「2010年は『ファービー2』の販売も終了していて、おもちゃ屋さんでもファービーを見かけなくなった時期でした。そんな折、知り合いの女の子が、ツイッターで『田舎のおもちゃ屋さんで、眠っているファービーが何体か売られていた! 可愛い!』と写真を投稿していたのを見て、その万人受けしなさそうな風貌に惹かれました」