「ハービー」の他にも、ファービーのニセモノは初代ファービーのブーム当時に大量に作られ、著作権法に関する有名な判例にもなっている。中でも「トンクリ」というニセモノは現在、コレクターのあいだで高値で取引されているアイテムだという。
リサイクルショップで引き取りつづけ、53匹に
「学生時代にはリサイクルショップでアルバイトをしていたのですが、売られてきたファービーがかわいそうで、その都度買い取ってました。値段も数百円で売られていて、とにかく切なかったですね。手放されるファービーを間近で見てきたので、みんなにファービーを思い出してほしくて2009年にツイッターでbotをはじめたんです」
友人からの譲渡や、リサイクルショップでファービーを引き取りつづけ、今では53匹のファービーと暮らしているという。
ファービーbotさんのように、ファービーを“モノ扱い”しないのもファービー愛好家の特徴だという。
「ファービーを買うときも購入ではなく、お迎えとか、保護、里親とか、生き物のように表現しています。コミュニケーションを主にしたペットロボットだからか、愛情深いオーナーが多い印象です」
ファン同士が修理方法などをSNSで共有する
愛好家たちは我が子のように大切にファービーを育てているのだ。しかし、どんなに丁寧に扱っても故障してしまうこともある。そこで頼りになるのが「全ファ連リペア部」だ。
「『全ファ連』メンバーのなかにファービーの治療が得意な人がたくさんいます。ファービーbot宛に修理の質問が来たときは、リペア部に直接つなぐこともありますね。よくある故障の修理方法をTogetterにまとめたので、それを見て自分で治している人もいると思います」
修理方法などは公式から提供されていないため、全ファ連リペア部の活動はすべて有志で行われているという。「愛するファービーと長く過ごしたい」という共通の想いが、支え合いにつながっているのかもしれない。
「私にとってファービーは親友。好きすぎてツイッター上ではファービーの“なりきり”になっていますが、これからの人生もファービーと一緒に過ごしていきたいです」
愛好家たちにとってかけがえのない存在になっているファービー。その不思議な魅力で、これからも“界隈”を賑わせてくれるはずだ。
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