高級、高待遇の優良天下り先が待っている
退職後も恵まれている。かつてキャリアOBがこんなふうに語っていた。
「調査を必要とする生命保険・損害保険会社はとくに、刑事の捜査能力、公安の情報力を必要としているし、鉄道や航空、警備会社も同様だ。それから、交通部門のキャリアは自動車や道路関連の企業に求められ、生活安全部門は管轄するギャンブル業界から請われる。いずれにせよ、給料が高く待遇のいい優良な天下り先には困らない。しかも、どこの企業に行こうと顧問とか役員待遇だ」
警察キャリアは一生涯、特別待遇というわけだが、最近もそうなのか。調べてみると、おおむねそれが裏付けられた。
ここ2~3年の天下り先には大手の保険会社が多く、鉄道や交通、警備関連の優良企業、団体も目に付く。事例を列挙しておこう。カッコ内は就任時期を示している。
米田 壯 (警察庁長官)→東京海上日動火災保険顧問(’15年4月)
倉田 潤 (警察庁交通局長)→日本緊急通報サービス理事(’15年4月)
干場謹二 (近畿管区警察局長)→あいおいニッセイ同和損害保険顧問(’15年5月)
鎌田 聡 (中国管区警察局長)→国際交通安全学会役員室付(’15年5月)
横山雅之 (関東管区警察局長)→全日本指定自動車教習所協会連合会専務理事(’15年6月)
竹内直人 (警察大学校長)→明治安田生命保険相互会社顧問(’15年7月)
篠原 寛 (九州管区警察局長)→東京海上日動火災保険顧問(’15年12月)
平野和春 (中部管区警察局長)→三井住友海上火災保険顧問(’15年12月)
鈴木基久 (警察庁交通局長)→総合警備保障常務執行役員(’16年4月)
佐々木真郎 (近畿管区警察局長)→表示灯顧問(’16年4月)
大平 修 (関東管区警察局長)→三井住友海上火災保険顧問(’16 年5月)
久我英一 (皇宮警察本部長)→九州旅客鉄道監査役(’16年6月)
室城信之 (北海道警本部長)→道路交通情報通信システムセンター常務理事(’16年6月)
木岡保雅 (東北管区警察局長)→全日本交通安全協会審議役(’16年6月)
大庭靖彦 (中国管区警察局長)→三井住友海上火災保険顧問(’16年10月)
種谷良二 (警察庁生活安全局長)→あいおいニッセイ同和損害保険顧問(’17年6月)
竹内浩司 (東北管区警察局長)→アメリカンファミリー生命保険顧問(’17年8月)