「二年ほど前には周りの人たちに『さようなら』と別れを告げて、いなくなろうとしていたんです。中には『ちょっと待ちなさい! 悔しくないの⁉』と励ましてくださる方もいました。でも『一生このまま状況が変わらないなら、もういいかな』って考えるようになってしまって」
その人は声を絞り出すようにして、つらい心情を吐露した――。
秋篠宮家の長女・眞子さま(29)と小室圭さん(29)が、2017年9月に婚約内定の会見を開いてから約4年。この間、絶え間ないバッシング報道を浴び、記者やカメラマンに追われる日々を送りながらも沈黙を保ってきた圭さんの母・小室佳代さん(54)に、「週刊文春WOMAN」は約1年にわたって取材を重ねてきた。
9月27日に小室圭さんが米ニューヨークから一時帰国。10月中に眞子さまと結婚する見通しだ。その日を待ちながら、佳代さんはこの4年間、何を思ってきたのか。
「週刊文春WOMAN」2021夏号掲載の「《小室佳代さん「密着取材」一年》小誌記者に語った『息子の子育て、金銭トラブル、眞子さまへの尊敬』」を特別に全文公開する(初出:2021年6月22日)。(前後編の前編/後編を読む)
◆ ◆ ◆
文書には「私も心の中で『えー!!』ってビックリ」
3度目の緊急事態宣言で人出が減った東京。だが、その洋菓子店は客が列をなし、いつもと変わらず繁盛していた。5月某日、午後5時を回り空が茜色に染まり始めると、一人の女性が店のバックヤードから姿を現した。麦わら帽子を目深に被り、マスクを着けているため一瞬誰だか判別がつかない。だが近づいて顔を覗き込むと、それが小室佳代さん(54)であることが分かる。
青色のワンピースを着て、首元にはグレーのスカーフを巻いている。辺りを警戒しながら歩く様子は、これまで幾度となくマスコミに撮られてきた姿だ。ただ、この日はいつもと違って片足を引きずりながら、どこか辛そうにしている。
─ご苦労様です。
そう声をかけると、佳代さんは申し訳なさそうに顔を歪めて返事をした。
「すみません。今日、実はこれから病院に行かなければいけなくて。あまりお話しできないんです」
─大丈夫ですか?
「4月の上旬に手術を受けて入院していまして。詳しくは言えないんですが、つい先週に抜糸をしたばかりで、まだちょっと体調が良くないんです……。本当は2週間の予定でしたが傷のアガリが悪く、1ヵ月近く入院することになって。その間、お店もお休みしていました」
─長期入院していたとの報道があった。
「宮内庁病院じゃないですよ……(苦笑)。そんな噂が出回っているみたいですが。それに息子が出した文書への批判にショックを受けて、入院したみたいにも言われているそうですが、もっと前から手術はする予定だったんです」
─圭さんが発表した金銭トラブルの説明文書で世間は大騒ぎになっている。
「たしか文書が発表された4月8日が手術じゃなかったかな……。まだ私はICUの中にいたと思うんです。麻酔で意識が朦朧としているときに、病院の人から『なんか文書が出てすごい騒ぎですよ!』と言われて。私も心の中で『えー!!』ってビックリしたことを覚えています」
─佳代さんは文書が出ることは知らなかった?
「いつ出るか、息子は当日になるまで教えてくれないんですよ……。これまでもそうでした。あの子は何か、そういうところがあるんですよね。お店には入院前に『何もないので大丈夫だと思いますよ』と言っていたので、かえってご迷惑をかけちゃって。後日、お店の方々には『申し訳ありませんでした』と謝りました」
─圭さんから連絡は?
「5月9日前後に全然、関係ないことで電話をしました。私が『そういえば、日本では“母の日”なのよ』と言ったら、何を思ったのか『おめでとう』って。それくらいですね」