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毎年100人近くが死亡 ライフジャケット未着用の釣りが「危険すぎる」これだけの理由

着用していても意味がない使い方も…

note

(2)膨張式(自動膨張タイプ)

自動膨張タイプのライフジャケット

 腰巻タイプと肩掛けタイプがあり、いずれも落水時にセンサーが反応して自動で膨張する仕組みのライフジャケット。

 腰巻タイプは膨張時、胴体に浮き輪を通したように膨らみ、そのまま脇の下まで浮上することで落水者の頭部を浮かせる。

腰巻タイプ 膨張時

 また肩掛けタイプも瞬時に膨張して、首にマフラーを巻いた形でしっかり頭部を浮かせる。

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肩掛けタイプ 膨張時

 メーカーによって膨張時間の差はあるが、膨らみきるまでにかかる時間は数秒といったところ。

水中での膨張

 どれも固定浮力式よりコンパクトで着用時にストレスを感じ辛いのが特徴だ。

メリット

・着用時のストレスが少ない

・着衣のファッション性を損なわない

・コンパクトなので収納のスペースをとらない

デメリット

・膨張して浮き上がるまでに固定浮力式より少し時間がかかる

・値段がやや高い(1万円~2万円強)

・メンテナンスが必要(使用期限切れセンサーの交換など)

・車内放置や濡れたままの放置は厳禁(膨張の恐れあり)

 膨張式には、他にも「手動膨張タイプ」がある。こちらは値段が大幅に下がる一方で、落水時は自身で紐を引っ張って膨張させる必要があるので状況によってはリスクを背負うことになる。

 私の使い分けとしては、手すりがあり足場の良いポイントは膨張式、移動をともなうルアー釣りや波の高い釣り場、磯等は固定浮力式を選択する(※オカッパリ釣行に限る。船釣りには、また別途適切なライフジャケットが必要)。