1ページ目から読む
3/4ページ目

着用していても意味がない! 間違った選択とは?

 大前提として万が一落水した場合、ライフジャケット未着用より危険なものはない。

 ただし、場合によっては着用していてもその効果をなさず、命の危険に晒される場合がある。

 それがどういった時に起こりえるのか、状況と合わせて紹介する。

ADVERTISEMENT

(1)固定浮力式の場合

 こちらは堤防、磯場、高所など使用場所を限定せずどこでもその効果を発揮する。特に磯場で落水した際は、岩肌や貝による身体への外傷を軽減する効果もある。

磯での釣りシーン

 堤防でも岸壁には貝類が多く付着しているので、壁際で波に揉まれた際も上半身をカバーした固定浮力式が安全と言える。

(2)膨張式(自動膨張タイプ)の落とし穴

 こちらは固定浮力式と違い空気による膨張、つまり浮き輪的なものなので、磯場で落水した際は岩肌に擦れて穴が開いてしまう可能性がある。そうなるとライフジャケットを着用していてもまったく効果をなさない。

膨張式のヨリ

 前述したように堤防の岸壁でも貝類で破損する場合が考えられるが、特に磯場での膨張式の着用は控えよう。

 また手動膨張式は、高所から落水したり、堤防の基礎に身体を打ち付けて気を失った場合、自ら膨張させることすらできない。ネットで安価に購入できるアイテムだが、機能を理解して使用しないと取り返しがつかなくなる可能性がある。

落水現場に遭遇してしまった場合は…

プールでの落水イメージ

 落水事故に遭遇した時の対応については、海と内陸とで連絡先が変わる。

 どちらにも共通して言えることは、自身で救助しようと飛び込むのは大変危険だということ。泳ぎに自信があっても、まずは落ち着いて下記の行動をとるようにしてほしい。

(1)まずは海上保安庁「118」に連絡(※内陸の川や池なら消防「119」へ)

(2)落水者に「仰向けで浮いて待つ」ように伝える

(3)自身のライフジャケットやペットボトルなど、浮力のあるものを落水者に向かって投げる