急激に熱々のフライパン(コテ)にのると水分は瞬時に蒸発しますが、その際に小さく「水蒸気爆発」が起きています。これは「火山が噴火している」のと同じ状態で、その瞬間的な圧力と高熱によって髪の毛は「タンパク変性」を起こしてしまい、ジリジリと細かくうねりゴワゴワした髪の毛になってしまいます。こうなると、美容師が薬剤を駆使しても治すことはできず、切り落とすしか方法はありません。
「洗い流さないトリートメント」が招く間違いについて
「洗い流さないトリートメント」は、ドライヤーで乾かす前に付けることで髪の内部に浸透してトリートメント効果が得られる、メイクでいえば下地のような物です。
程よいしっとり感やまとまりができ、指通りも良くなって、髪のダメージを最小限に抑えられます。オイルタイプかクリームタイプが多いため、乾いた髪へのスタイリング剤としても利用できます。
業界では「アウトバス(out-bath)トリートメント」と呼びますが、一般には認知されていないため、“洗い流さない”と文字数の多い呼び名がよく使われていますが、その呼び名のため、誤解を受けやすい点が2つあります。
まず、お風呂で使うトリートメント(「インバス(in-bath)トリートメント」と呼びます)やコンディショナーとは別物です。そもそもの用途が違うため、どちらかをつければオッケーというものではありません。洗い流さないトリートメントを使う時にも、お風呂のトリートメントやコンディショナーは付けてください。
次に、洗い流さないトリートメントはオイル状のものが多いのですが、「ヘアオイル」とは別物です。ヘアオイルを濡れた髪に付けて乾かそうとすると、油膜が邪魔して、いつまでも乾きません。
また、洗い流さないトリートメントはコテやアイロンの熱の刺激をカバーできるものが多いですが、ヘアオイルをつけた後にコテやアイロンを使うのは良くありません。ヘアオイルが熱に反応すると、髪の毛に悪影響を与えてしまいます。
これらは「傷む原因」の一部に過ぎませんが、知らずにやってしまいがちなことです
またヘアケアはどの方法も「即効性」を感じ取りにくいため、ついついサボってしまうことでもありますが、めげずに心掛けてみてください。