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“髪に栄養が行きわたっていない”は誤解…美容師が教える「やってはいけない、髪が傷む習慣」

2021/10/03
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ダメージとは

 髪の毛のダメージは主に、摩擦、熱、紫外線、薬剤といった外部からの刺激によって引き起こされます。

 ダメージを負うと髪の毛は海苔(キューティクル)が損傷して剥がれたり、剥がれた海苔の隙間から、シャリ(コルテックス)が流失するようになります。

 髪の毛は傷むにつれ手触りがザラザラしますが、見た目からもダメージは感じ取れます。

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・髪色が明るくなる

 黒い色素はシャリ(コルテックス)の中にあるため、流失すると色が薄くなり、地毛よりも明るく見えるようになります。

・毛先に白い点々が見える

 海苔(キューティクル)が剥がれてしまうとめくれた表面が乱反射して、ポツポツと白い点が光って見えます。

・枝毛になる

 シャリ(コルテックス)は縦に繊維が繋がっているため、流出して減ると縦に裂けやすく、枝毛になりやすくなります。

「生活習慣でやりがちなこと」

 髪が濡れたまま寝てはダメ!

 忙しい毎日に追われ、シャワーを浴びてすぐ寝落ちしてしまうことがあるかもしれませんが、これは髪の毛を損傷させやすい習慣の一つです。

 なぜなら、髪の毛が枕に擦れて、キューティクルが剥がれてしまいやすいからです。特に濡れた髪はキューティクルの一枚一枚が開き気味になっていて、剥がれやすい状態です。

 対策としては、ドライヤーでしっかり乾かしてから寝ること。キューティクルは乾くと閉じる特性があるため、濡れている状態よりも摩擦に強くなります。

絶対ダメ! 濡れた髪にコテ、アイロンは使わないで

 たくさん聞く事例ではないですが、濡れたままの髪にコテやアイロンを使うことは絶対にしないでください。「髪も瞬時に乾くし、一石二鳥じゃん」とやっている方も稀にいるようです。

 半乾きでもダメです。コテ、アイロンは必ず乾いた髪に使ってください。なぜなら濡れた髪に「タンパク変性」という現象が起きてしまうからです。

 この現象は「目玉焼き」に例えることができます。

 生卵の白身は、熱されたフライパンの上で透明なジェル状から真っ白な個体に変わり、「目玉焼き」になります。これは白身の「タンパク質」が熱によって変性(性質が変わる)した状態なのですが、同じく「タンパク質」でできている髪の毛でも同じ現象が起きます。