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闇スロット“3つの種類”

 闇スロ店には大きく分けて「3つの種類」が存在するという。その3つとは以下のようなものだ。

【ノーマル店】 スロット台に細工をしていない普通の闇スロ店。店側の儲けは10~15%ほどと小幅で赤字になることもある。漆原氏が経営する闇スロ店はノーマル店だった。

 

【ロム細工店】 スロット台に「カットロム」「ダウンロム」と呼ばれる「裏ロム」などを仕込んでいる店。店側の儲けは20~30%と中幅。

 

【ポンコツ店】 スロット台に「遠隔」という確率操作システムを仕込んでいるインチキ店。店側の儲けは遠隔の設定次第。もちろん大幅に利益を出すことも容易い。

 漆原氏によれば、現在、都内に存在する闇スロ店は「ロム細工店」か「ポンコツ店」ばかりであり、「ノーマル店」はほとんど存在しないというのが実情のようだ。

 まず「ロム細工店」について解説していこう。「カットロム」や「ダウンロム」などは「裏ロム」と総称される。

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裏ロムの実物

 パチスロ台はメーカーによって、その「設定」や「出率(当たり確率)」が公表されている。パチスロにおける設定とはパチスロ機のボーナス・小役等の確率を変更し、最終的な出率を上下させることができる機能のことだ。 1~6などの数段階の設定があり、例えば設定1だと101%の出率になるなどの数字が、メーカーによって公表されているのだ。

 この出率を上げたり、下げたりするために裏ロムを仕込むのである。例えば裏ロムにより設定1・101%の出率とされているものを、90数%などに落とすことなどが出来るのだ。

裏ロムに貼られたメモには機種が書かれていた

裏ロムの極秘仕様書をみると…

 ここに数枚の文書がある。裏ロムの極秘仕様書の数々である。

 例えば1枚目は裏ロムを仕込むことで、“裏モノ”と呼ばれるギャンブル性の高い台に変えるための仕様書だという。「通常設定」をどう「裏設定」に変更するのか、その方法が細かく記述されている。

(1)通常設定変更

 ↓

(2)基盤リールLEDを確認し、第一リールのLEDが消える状態までリールを手で回す。第二、第三は点灯状態

 ↓

(3)電源OFFにして設定キーを回す

 ↓

(4)1BETボタンを押したまま電源ON

 ↓

(5)表側セグ版が設定ボタンにて変化する。・表示1(十の位):1~4(裏設定)・表示2(一の位):1~5(モーニング数)

 ↓

(6)スタートレバーON、設定キーを戻して完了。

 そして裏設定にしたときの当率一覧表も添付されている。その出率は77~238%と大きな波があることが分かる。

仕様書の実物。ギャンブル性の高い台に変える方法が詳細に書かれている

 2枚目は“カット系”の仕様書である。「連チャン回数設定」で連続ボーナスの回数が細かく設定できることが明記されていたり、「ベースカット率設定」という項目では出率を10~30%までカットできる、というような事柄が詳細に記述されている。まさに裏ロムを使用することでスロット台の細かい設定変更をすることが可能であることが仕様書からわかるのだ。

“カット系”の仕様書には細かな設定方法も記されていた

「1枚目の仕様書は通称“裏モノ”と呼ばれるもので、裏ロムを入れることで波が荒い超博打台に変えることが出来るのです。ノーマルの台では119%くらいがマックスで238%という出率はありえない。お客さんは射幸心を強く煽られることになり、嵌っていくのです。気を付けなければいけないのは闇スロで『当率238%!』と謳っておいて、裏では96~110%で調整しているなんてこともあることです。

 2枚目の仕様書はカットロムと呼ばれる裏ロムのものですね。出率をカットすることで店の利益率を上げるために使う。当率が下がって当りが来るまでの波が荒くなるぶん、お客さんはかえって射幸心を煽られて嵌るというパターンもあります」(漆原氏)