「死ね」「キモい」と書かれた紙を入れられたイジメの件を説明
校長は冒頭で準奈さんの亡くなった状況と、警察から「自死」と報告を受けたことを説明した。直後に学校が独自に行った調査内容については、以下のように語った。
「調査内容は多くの資料を分析したものから成り立っております。準奈さんが入学してから亡くなるまでの後期にはイジメに関するものの他にいくつかの課題にぶつかりながらも、それらを乗り越えて、合唱祭などで学級の助監督や、後期の学級委員など新しい活動に挑戦したりしてきた事実もございます。本日はイジメに関することを中心に説明申し上げます。
はじめに準奈さんの下駄箱に『死ね キモい』と書かれた紙が合唱祭の練習期間である昨年9月30日から10月15日までの間に、3、4回入れられたイジメについてです。準奈さんは合唱祭に向け助監督になり、クラスの合唱リーダーとして活躍していました。紙が入れられたのがわかったのは約1か月後の11月11日、12日から実施された教育相談において本人の申し出によって分かりました。準奈さんからは紙を見つけたのは登校時で『紙はすぐに捨てた』とのことでした。もう1回あったら先生に言おうと思っていたが、10月15日以降なかったので言わなかったとのことでした。準奈さんには、『今度そういうことがあったらすぐに言ってほしい』と話しました。
そこで朝の会や帰りの会では相手を思いやる大切さを確認し、道徳の授業は友情や信頼について取り上げ指導していきました。しかし、今となっては相談を受けた時点で保護者の方への説明、報告をしておくべきだったと考えたところでしたが、その時点で保護者の方への説明、報告はなされておりません。大変、申し訳なく思っております。合唱祭の練習期間が終了した10月15日以降、準奈さんの下駄箱に紙を入れられるような行為はなかったと1月の教育相談で、本人に確認しております」
その他のイジメについては「明確な根拠のある情報はなかった」
校長は準奈さんがイジメを受けていたことを保護者に報告していなかった事実を認めたが、その他のイジメについては「明確な根拠のある情報はなかった」と、説明を続けた。
「事故後に、生徒の皆さんから寄せられた情報の中には、イジメについてのことがあったため、それについても聞き取りを継続して調査しました。そこで確認されたのは、準奈さん以外の生徒間でのトラブルでした。
準奈さんはトラブルに遭った友達に対して、毎朝声をかけるなど、中立的な立場で両者に声をかける存在でありました。トラブルにあった友達を助けたために、準奈さんへの直接のイジメがあったのではないかとの噂があり、調査しましたが、この時点で明確な根拠のある情報はありませんでした。また、SNSについても同様に聞き取りを行っています。
準奈さんが所属していたいくつかのSNSのグループから、退会したという事実があり、その背景にネットイジメの可能性があるのではないかと言われ、調査を行いました。しかし、グループLINEにおける準奈さん本人への直接的なイジメに関わる情報を得ることはできませんでした。以上が3月時点での調査の内容です」