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それは常連さんの一言からはじまった

 さて、本題の「汁なしカレーそば」の話に戻ろう。「AKLあから」では原則、夜メニューにカレーライスがない。それでタフな常連さん達に「カレーのルーがあるのなら、カレールーを使った、おつまみになるような料理を作ってよ」とリクエストされて、店主が考え出したメニューだそうだ。

 後日、夜に再訪し、早速「汁なしカレーそば」を注文してみた。カレーを温めると店内に心地よいスパイスの香りが広がる。しばし待って登場したその姿は斬新だった。そばの上にキーマカレーがたっぷりかかって、レモンが添えられている。青ネギがあざやかだ。「汁なしカレー坦々そば」とでもいえばピッタリだ。

店主の鈴木さんは映画『マッド・マックス』の主人公似のイケメンだ

 店主が「まず、そばを食べてみてください」と手打ちそば屋のオヤジみたいなことを言うから、一口そばを食べてみると、汁なしだが白だしの味が広がり、そしてほんのりとごま油の香りが広がっていく。そばに白だしとごま油を絡めているそうだ。そして、キーマを混ぜて食べると程よい辛さが一気に広がる。途中からレモンを絞って食べると少しエスニック風のテイストに変化する。そばにレモンをかけたのは「そばうさ」のバジル冷そば以来だ。

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 なるほど、キーマ系のカレーとそば・うどんが「汁なしスタイル」で見事に融合した傑作の一品だ。

汁なしカレーそば

「AKLあから~カレーなる酒場~」のある裏通りは、忌野清志郎がいたザ・タイマーズのドラマーの方が経営するライブハウス「THE SHOJIMARU」もあるし、熟成肉の店もある。靖国通りを渡れば老舗そば屋「神田まつや」もすぐだ。

 ライブハウスに出演したバンドのメンバーや近隣のオフィスワーカー達が、カレーの香りを求めて「あから」に集って来るのだろう。今度は「カレーがけ玉こんにゃく」300円を食べに行くことにしよう。

写真=坂崎仁紀

INFORMATION

AKLあから~カレーなる酒場~

東京都千代田区神田司町2-10-19 1F

営業時間 11:30~14:00 
Bar time:17:00~21:00(お客様がいれば21時以降も営業 LO:23時)

http://aklcurry.jp/
定休日 土日祝