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多くの大学に優勝のチャンスがある

 ここまでで関東の5大学を挙げたが、2年前の優勝校の國學院大や、近年安定した実績を挙げている帝京大も、順当な顔ぶれをエントリーできた。一方で、東洋大は、注目のルーキー石田洸介は名前を連ねたものの、宮下隼人(4年)、松山和希(2年)の二枚看板がメンバー外。東海大も、大エースの石原翔太郎(2年)をエントリーできなかったのは大きな痛手だ。

強豪・東洋大は箱根5区で区間賞だった宮下を欠くなど陣容には不安が残る ©JMPA

 ただ、関東の大学は箱根駅伝の20㎞超に対応するために9月まで走り込んでいるチームも多く、エントリータイムが当てにならないこともある。優勝を目標に掲げているチームはもちろん調子を合わせてくるだろうが、出雲と箱根とではレースの特色が全く異なるため、出雲駅伝仕様に仕上げているかどうかで、順位はがらりと変わってくる。

 また、全6区間、45.1㎞と距離が短い出雲駅伝では、1区間でもミスがあれば挽回するのは難しく、番狂わせも起きやすい。言い換えれば、多くの大学に優勝のチャンスがあると言っていい。

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今年も目が離せないレースが繰り広げられる

 関東以外の大学では、2年前の2019年大会で6位、18年も7位と、関東勢に割って入っている立命館大に注目だ。1年時からチームの主力として活躍している山田真生(3年)を軸に、今回も入賞ラインに食い込めるか。同じ関西勢では関西学院大も充実している。日本インカレの10000mではエース上田颯汰(3年)が、日本人トップの5位と、関東の主力選手に競り勝った。東海地区代表の皇學館大は、昨年度まで大黒柱だった川瀬翔矢(Honda)が卒業したが、佐藤楓馬(2年)が新エースとなり、力のある1年生も多数入学し、フレッシュな顔ぶれで挑む。

駒大・大八木監督と青学大・原監督 ©JMPA

 また、個人では初出場の北海道大学から高橋佑輔(4年)に注目したい。高校時代にインターハイ800mで優勝した実績を提げて、北の大地では理学部に学びつつ、力を蓄えてきた。今年の日本選手権では1500m4位と、日本のトップランナーと互角に戦った。日本インカレも1500m3位。スピードを武器に、関東勢に一矢報いる走りを見せてくれそうだ。

 王者・駒澤大が突っ走るのか、はたまたその牙城を崩すチームは現れるのか――。12時5分の号砲から、あっという間の2時間。目が離せないレースが繰り広げられそうだ。