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 今年5月3日の日本選手権10000mでは、東京オリンピックの代表選考がかかった大舞台で、エースの田澤廉(3年)が2位、鈴木芽吹(2年)が3位に入った。実業団選手をも含めた真の日本一を決める舞台の表彰台を、2人も駒大勢が占めたのだ。記録も、それぞれ27分39秒21、27分41秒68と、日本人学生歴代2、3位に入る好記録をマークしており、学生の枠を超えた活躍を見せている。

エントリー選手10人全員が13分台のタイム

 さらに、昨年度は箱根で6区の控えだった唐澤拓海(2年)が、田澤、鈴木に続く、チームの核となる選手に成長。この三本柱は強力だ。ルーキーの篠原倖太朗も、9月の日本インカレ5000mで2位に入るなど即戦力の活躍を見せている。

駒大の鈴木(右)と田澤は日本選手権で表彰台に ©AFLO

 また、ひと昔前までは「5000m13分台」が学生トップランナーの証とされていた。今では珍しくなくなったとはいえ、駒大のエントリー選手10人全員が13分台のタイムを持つ。今年1月の箱根優勝メンバーからは、石川拓慎と酒井亮太の2人が部を離れ、今回のエントリー選手に白鳥哲汰(2年)と花崎悠紀(4年)の名前はないが、要所を担う選手が揃う上に、選手層が厚く、抜かりはない。

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昨季の箱根で優勝のテープを切った駒大・石川は不祥事もあり部を離れた

選手層の厚さでは、駒澤大をも凌ぐ青山学院大

 青山学院大もエントリーメンバー10人を5000m13分台の選手でそろえた。今季の青学大は、出雲のエントリー選手を含め、合計22人が5000m13分台の自己記録を持っており、選手層の厚さという点では、駒澤大をも凌ぐほどだ。しかし、駅伝で優勝を狙うには核となる選手が不在で、エース力という点でライバル校に劣っているように思われていた。だが、その懸念材料を吹き飛ばしたのが3年生の近藤幸太郎だ。今季はここまで絶好調で、5000m、10000mの2種目で、過去の名だたる先輩の記録を破り、青学大記録を打ち立てた。9月の日本インカレでは5000mで優勝し、勝負強さも出てきた。

青学のエースに成長した近藤は今年の箱根では7区で区間2位 ©JMPA

 昨年度は、全日本、箱根と共に4位に終わっているが、本命視されていない時に圧倒的な強さを発揮するのが青学大というチームでもある。また、出雲にエントリーされた1年生は若林宏樹だけだったが、今季はルーキーが充実しており、出雲で優勝すれば一気に勢いづく可能性もある。

 2年前は、7年ぶりの出場だった國學院大が下馬評を覆して初優勝を果たしたが、今回ダークホースとなりそうなのが初出場の東京国際大だ。