でも作品が誰かに少しでもいい作用をもたらしているのであれば、描いていてよかったなと思います。
今後どう変わっていくかは自分でも予測不可能
──ドラマの最終回では、アセクシャルでアロマンティック(他者に性的欲求も恋愛感情も抱かないセクシュアリティ)の梅ちゃんの結婚話も出てきました。あれはドラマ版のオリジナル脚本ですか? 今度の展開などはもう決めておられるのですか?
いつまちゃん ドラマのシーズン2をつくるにあたり、私が「いずれ白木・レオペアが梅ちゃんと同居する構想がある」ということをお伝えしたので、エピソードの先取り的な感じであのような展開になりました。
ただ、X×Y=Zみたいな感じで、キャラとキャラが合わさっていくらでもドラマが生まれてくるので、私が「こうなるかも」と構想していても、描いているうちに展開が変わってしまうこともあります。そのときの時代の空気感とキャラクターの状況で、今後どう変わっていくかは自分でも予測不可能です。
「来世ちゃん」という略称を考えてくれたのは担当編集
──『来世ではちゃんとします』というタイトルは、とてもインパクトがあります。『来世ちゃん』という略称もキャッチーで覚えやすいです。
いつまちゃん ありがとうございます。実はこのタイトルはTwitterでずっと相互フォローだった方の案なんですよ。読み切り版の「スタジオデルタのこじらせた大人たち」が最初のタイトルだったんですが、連載にするにあたってタイトルを変えた方がいい…と当時のグランドジャンプ編集長にご意見いただきまして、困り果ててTwitterで「キャッチコピーとかタイトルとか考えるの得意な方いませんか」と呟いたら、その方が「仕事でコピーも考えることも多いよ」と力になってくださって、10案くらい出してくださり、その中に「来世では、ちゃんとします」があったんです。「これだー!!」って光って見えましたね。
ちなみに「来世ちゃん」という略称を考えてくれたのは担当編集さんです…ほんと良い人たちに恵まれましたね。
──もしかして、ペンネームの「いつまちゃん」も相互の方のアイデアですか?
いつまちゃん いえ、これは本名が「まつい」なので、それを逆さにしただけです。Twitter用に適当につけた名前がそのままペンネームになっただけですね(笑)。でも親しみやすいし呼び捨てにされないので気に入ってます。
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(取材・構成:相澤洋美、撮影:杉山秀樹/文藝春秋)