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「下請けの映像プロダクションで、連日残業が続いても手取り20万いかなかった」 『来世ではちゃんとします』の作者が“深夜のマンガ喫茶”で抱いた“反骨心”

いつまちゃんインタビュー#1

2021/10/23

 ブラック映像制作会社で働く、性に奔放なこじらせ男女の日常をコミカルに描いたマンガ『来世ではちゃんとします』。ドラマはシーズン2まで放映され、大人気となっています。作者のいつまちゃんに、作品誕生の経緯をお聞きしました。(全2回の1回目。2回目を読む)

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【マンガ『来世ではちゃんとします』を読む】

 

来世ではちゃんとします』とは…

高円寺の映像プロダクション(株)スタジオデルタで働く5人は、性的にこじらせたメンバーばかり。5人のセフレがいる性依存系の大森桃江(27)、彼氏いない歴=年齢のアセクシャルでアロマンティック(他者に対して性的欲求も恋愛感情も抱かないセクシュアリティ)女子・高杉梅(27)、女性を情緒不安定にするメンヘラ培養沼・松田健(26)、トラウマから処女しか愛せないセカンド童貞・林勝(26)、風俗嬢にガチ恋愛中の檜山トヲル(29)。性に奔放な男女の日常の行方を描くコメディマンガ。

働きに見合った給料をみんなもらえてなかった

──メインキャラクターの勤務先である、映像プロダクション「スタジオデルタ」はかなりのブラック会社ですが、実際にいつまちゃん先生が働いていた会社がモデルなのですか?

いつまちゃん モデルではないです。登場人物は全員フィクションですね。ただ業務形態や仕事模様は参考にさせて頂きました。下請けの3DCG映像プロダクションだったのでやることがとても多く、納期に余裕のないアニメ案件の時は土日も関係なく働いていましたね。連日残業が続いても手取り20万いかないという生活だったので、会社に寝泊まりする日々が続いたときは、アニメ業界の労働環境と薄給について真剣に考えたりしていました。諸悪の根源は業界全体に根付いたもので、個々の会社が悪いわけじゃないんですよ、私の倍働いていつも助けてくれた社長も先輩も同僚も…働きに見合った給料をみんなもらえてなかった。

 

オリジナル連作「セフレちゃん」でバズり…

──プロットはどうやって作成したのですか?

いつまちゃん 最初は、内向的だけど仕事ができる檜山くんみたいな社員ばかりの会社に、外交的でちょっとアウェイなギャル(見た目は梅ちゃん)が入社して奮闘するお仕事マンガを考えていたんですけど、王道ラブコメは私全然面白くできなくて。それなら、当時Twitterで人気だった「セフレちゃん」みたいな子を主人公にして、仕事に恋に悩みもがく話がいいんじゃないかと大森桃江ちゃんを考えました。