一方、彼らを観る側の気持ちも知る必要があります。
桶ダンスについて、ジャニヲタさんたちに話を訊いてみました。
「え、桶ダンスをいやらしい気持ちで見たことなんかない。推しは楽しそうに踊ってたし、がんばって鍛えて偉いね! って尊い思いしかない」(22歳女性)
「性的搾取うんぬんというのは、言われてみれば……という感じですね。それより品がないので好きではないです」(40歳女性)
「自分も未成年の男だけど、性的にどうのとは思わない。ガリガリで自信が無いときは裸を見られたら恥ずかしいけど、もし自分がタレントで、鍛えた身体を見てほしい!って思っても“未成年は脱いじゃダメ”ってチャンスを奪われるほうがやだ」(17歳男性)
「搾取とか考えたこともなくて、ただただ裸の推しもかっこいいし、ときめいて観ていました。ダメなんでしょうか?」(25歳女性)
観る側の気持ちは「自分がどう思ったか」が主となるので、演者の心境や、そのシーンが提供されている状況について思いを巡らすに至らない場合も多いのだと思います。「未成年の推しの桶ダンスを楽しんでしまった私はダメなんだ」などとうつむく必要まではないと思いますが、それでもこれを機に「未成年の推しの身体や気持ちは、大切にされているのかな?」と考えてみるのは悪いことではないはずです。
先輩、後輩を交えてディスカッションを
その昔、ジュニア黄金期と呼ばれた時代はジャニーズJr.がコンサートのオーラスで一斉に上衣を脱ぐというならわしがありました。汗だくのジュニアたちが重い衣装を脱ぎ、晴れ晴れと花道を駆けてくると、「ああ、いよいよラストか」と万感の思いがこみ上げてきたものです。
今は無くなりましたが、かつてバラエティ「裸の少年」ではジャニーズJr.による「男だらけの水泳大会」が行われていましたし、ジャニーズ夏の風物詩公演「SUMMARY」でも、水着ジュニアと呼ばれるちびっ子たちが、水しぶきを浴びて元気に「勇気100%」などを歌っていました。
健康的だし、可愛い! とひとまとめにされてきたジュニアの裸も、もう一度保護と表現の間に引かれる線を考え直す時代が来ているのでしょう。
問題の桶ダンスは、今後どうあるべきでしょうか。
願わくばシレッと引っ込めてしまうのでなく、ジャニーズの公式YouTubeなどで「こういう問題提起があるけど、どう思う?」などと先輩・後輩交えてディスカッションをして見せてほしいと思っています。その上で改良するなり、新コンテンツのアイデアを出すなりしてくれたら「さすがジャニーズ!」と賞賛されるに違いありません。
まあ、成年済みかつもろもろ了解済みの先輩ジャニたちが「桶ダンス? それオレたちの得意芸ですわ!!」とかいってなだれ込み、未成年に代わってアダルトな魅力あふれるパフォーマンスを見せてくれる展開も、アリだとは思うのですが。
再演があるとすれば、どんな湯加減になるものか? 注目して待ちたいと思います。