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休日は月に2日以下、休職中の女性を「Aが妊娠させたから」と吹聴される

 それでもAさんは新人という立場もあり、理不尽な環境の中でも新しい職場に慣れようと必死に努力を続けた。一時期はほとんど食事もとれないような状況で、急激に体重が落ちたという。ただ、2年目からは責任のある仕事も任されるようになり「これはやっていけそうだ」と思っていたそうだ。

 しかし、2年目になってもX氏からのハラスメントは絶えることがなかった。

 1か月で2日間しか休みをとれないような多忙を極めるアナウンサー業の中で、ようやく取得した休日にも警察の会見への出席を強要されるなど、Aさんはどんどん疲弊していったという。

「面と向かった暴言のほかに陰口も言われていたようです。例えば、部署の女性社員が体調不良で休職した時には、Xが『Aが妊娠させたから休んでいる』といった根も葉もないでたらめを言いふらしていたようです。その女性社員が休職した理由はXのパワハラが原因なのですが、自分の責任を棚に上げて、酷いセクハラ発言で2人を傷つけるようなことをしたんです」(前出・現役社員)

さくらんぼテレビには7名のアナウンサーが在籍しているが、2人は休職中だという(公式Pより)

重なるパワハラと過酷な労働で、精神がボロボロに

 また、Aさんが受けたパワハラはX氏からだけではない。ベテランカメラマンのY氏からも「目をつけられていた」と前出の現役社員が続ける。

「Y氏はさくらんぼテレビの開局から勤めている古株カメラマンということもあり、取材現場では大きな影響力を持っていました。彼の機嫌を損ねると撮影が進まないため、周囲は常に気を使っていました。Y氏は自分を頼ってくる後輩は可愛がりますが、1人で仕事を回せてしまうAのようなタイプは嫌いだった。取材中、『蹴るぞ』と脅されたり、『どけよ』と体当たりされた社員もいました。Aに対しても山形駅前という公衆の面前で数十分にわたって怒鳴りつけたり、『俺の(撮った)ニュースを笑った』などといった被害妄想に満ちたメッセージをAに送り付けたりしていたようです」

ベテランカメラマンのYからも恫喝めいたメッセージがAさんのもとに

 X氏やY氏からのハラスメントに加え、前述のような過酷な勤務状態も重なって、Aさんはついに昨年度末に40度近い高熱を出して倒れてしまう。

「その場で医者からすぐに精神科に行くように勧められたと言っていました。精神科の先生には『働いてはいけない。もう精神がボロボロになっている』と言われてしまったようです」(前出・知人)

 Aさんは今年4月1日には会社に休職することを報告。4月末には無理を押して番組に出演もしたが、人前に出られる体調ではないことを自覚し、5月からは完全に休職しているという。

 折に触れて相談を受けていたAさんの知人はこう嘆息する。

「休職してパワハラから解放されるかと思いきや、『Aはずる休みをしている』『人に仕事を押し付けるダメな奴』とXが発言していたことがAの耳に入ってしまったのです。ただでさえうつ病でつらい時期に、Aにとっては酷い追い打ちだったと思います」