眞子内親王が10月23日、30歳の誕生日を迎えた。26日に小室圭さんと結婚し、皇室から離れることになったため、これが皇族として迎える最後の誕生日となった。
眞子内親王は1991年に生まれた。まだ平成に入って3年目であり、平成の天皇の即位から両親である秋篠宮夫妻の結婚へと続いた雰囲気が残っているなかでの誕生であった。平成の皇室像は、マスメディア、特にワイドショーのあり方に親和的で、盛んに取りあげられた。眞子内親王はそのなかでも、平成の天皇と皇后の初めての孫として、幼少のころから常にマスメディアの注目を浴びる存在であった。歩いたこと、しゃべったこと、学校へ入学したこと、進学したことなど、すべてが天皇・皇后の初孫ゆえに大きく報道されたのである。
天皇の孫世代の新しいモデルだった
佳子内親王・愛子内親王・悠仁親王と同じ天皇・皇后の孫であったが、先に生まれたがゆえに常に天皇の孫世代の新しいモデルとして、眞子内親王は見られていたとも言える。「皇室アルバム」のような昭和の格調高いテレビ番組で取りあげられるだけではなく、各局の朝や昼のワイドショーに取りあげられることで、より親しみを感じさせる存在だったのである。
また、眞子内親王の成長期は、インターネットという新しいツールの発展とも軌を一にしている。2005年前後には、「眞子さま」ブーム、「マコリンペン」ブームがインターネット上で起こった(茂木謙之介『表象天皇制論講義』白澤社、2019年)。眞子内親王を模したいわゆる「萌え系」のイラストがネット上にあふれた。セーラー服で学習院女子中・高等科の入学式や卒業式に出ていた姿がテレビで報道され、そうした姿がネットのなかで受け、消費されたのである。そのようなサブカルチャーとの親和性も眞子内親王にはあった。そうした姿も皇室の新しい像として、マスメディアで取りあげられている。