箱根でブレイクの法大・鎌田の成長に期待
MARCHのH、法政は前回の箱根駅伝では総合17位と苦戦を強いられた。そのなかにあって、輝いた選手がいた。1区で区間賞を獲得した鎌田航生(4年)である。複数の選手のゆさぶり、仕掛けに耐え、最後にラストスパートを炸裂させて、価値ある区間賞を獲得した。
鎌田は、6月に行われた全日本予選会の10000mでは日本人学生の中で5位。トラックでのスピードでも十分勝負できることを証明した。予選会では日本人の先頭を争うことが予想される鎌田が、さらなる成長を見せるのか期待したい。
そして最後にMARCHのR、立教大学は本格的に強化を初めて2シーズン目となる。立教は2024年に創立150周年を迎えるが、その年に箱根駅伝は第100回記念大会が開催される予定だ。
2024年。
立教はこのターゲットに向けて、中大、そしてDeNAで活躍した上野裕一郎氏を監督に迎え、強化を進めている。埼玉にある新座キャンパスの横に合宿所も完成。2年生、1年生と高校時代に実績のある選手も数多く入学している。
昨年は上野監督の本格始動の1年目ということもあり、予選会での順位アップが期待されたが28位に終わり、箱根への道は決して平坦ではないことを証明する形になった。それでも昨年は12名中7名が1年生(現2年生)だったこともあり、経験の上積み、チームの総合力がアップしているかを見極めたい。
今季の駅伝シーズンは箱根駅伝の予選会を経て、11月7日の全日本大学駅伝、そして各大学の合宿期、選手選考レースが続き1月2日、3日の箱根駅伝へとつながっていく。
長年、取材して感じるのは、「点」で見ていては戦力を見誤ることだ。
今回、取り上げた明治、中央、法政の3校は2週間後に行われる全日本にも出場する。この短期間に、2つのレースに集中するのは極めて難しい。選手層や監督の判断が観察材料となる。
10月から1月にかけ、続く注目レースを「線」で楽しむことで、駅伝の魅力をさらに味わえるはずだ。