Q 株価の「岸田ショック」どうして起きた?

 岸田内閣発足後の1週間で日経平均株価が700円超下落するなど、株価に大きな変動が起こり、「岸田ショック」という言葉をニュースで聞く機会もありました。この「岸田ショック」はどうして起こったのでしょうか?(40代・男性・会社員)

岸田文雄総理 ©JMPA

A 「金持ちほど税率が低くなる。これでは格差が縮まらない」と…

 岸田総理が株の取引にかかる税金の率を引き上げる方針であることを明らかにしたからです。

 岸田総理は、「1億円の壁」という言い方をしていました。高額所得者の納める税率が、1億円を超えると下がる傾向にあることを指摘したのです。

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 給与所得だと、最高税率は国税と地方税を合わせて55%ですが(復興特別税を除く)、株の売却や株の配当金にかかる税率は20%です。高額所得者は株を持っている人が多いですから、合計すると、税率は低くなるのです。

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 金持ちほど税率が低くなる。これでは格差が縮まらない。こう考えて岸田総理は株取引にかかる税率を引き上げる意向であることを明らかにしたのです。これは、株式市場で取引をしている人たちにとっては、ありがたいことではありませんね。そこで岸田総理の方針に嫌気がさして、株価が下がったのです。

 ところが、株価が下がったのを見て、岸田総理は、この方針はすぐには実行しないと先送りにしました。

 総裁選挙のときには言っていたのに、総理になったら言わなくなったことが多いと指摘されている岸田総理。この問題でも同じだったのです。

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