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サイドブレーキをかけっぱなしで数十キロ

 レンタカーを借りる客のなかには、普段は運転する習慣がない人も多い。そのため、基本的な操作の面で「まさか」の行動に出てしまうケースもあるようだ。

「よくあるのが、サイドブレーキを引きっぱなしで発進してしまうパターンですね。出発時にこちらで気づけることもありますが、発進まで時間がかかる方もいますし、ずっと見ているわけではありません。

 ひどいケースだと、数十キロもかけっぱなしで進んでしまうお客さんもいました。出発から1時間くらいしてから、電話で『なんか焦げ臭いんだけど』って連絡があって……そのときは急いで、現場までスタッフが向かって、異常がないことを確かめました」

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 サイドブレーキがかかっていると、メーターには「!」の警告灯が表示されるが、久しぶりに運転する場合には気づかないこともあるのかもしれない。ブレーキをかけたままの運転が危険であることは当然だが、ブレーキが摩耗して熱を持つことで、気づいた後の運転にも支障が出るおそれがある。

「エンジンがかからない」故障と思いきや……

 その他、貸し出し中の問い合わせに多いのが、「エンジンがかからない」というクレームだという。借りた車のエンジンがかからないとなれば、怒りを覚えるのも当然であるが、事の次第はどうなのだろう。

「大体は、ギアがパーキングに入っていないか、ハンドルロックがかかっているかのどちらかですね。故障ではなくて、車の安全装置が作動してエンジンがかからなくなっている状態です」

 多くのオートマ車は、安全のためギアがパーキングに入っていないとエンジンがかからない仕組みになっている。運転に慣れていないと、ギアをDやRに入れたままエンジンを切り、再始動できずに「故障した」と考えてしまうわけである。

 ハンドルロックは一種の盗難防止機能であり、エンジンがかかっていない状態でハンドル操作を行うと、ロックが作動する。こうなると、イグニッションキーやプッシュスタートの操作を受け付けなくなるため、やはり故障と勘違いされるケースが多い。解除するには、ハンドルを小さく左右に動かしながら、エンジン始動の操作を行う必要がある。

「ロックの解除方法を伝えると、ちょっと気まずく『すみません~』みたいになることが多いんですが、『先に言っとけよ』みたいな感じでキレられることもありました。教習所で教えといてほしいですよね」