「サークル旅行でミニバン」には要注意
運転に慣れていない客が多いことにより、おのずと「車をぶつける」トラブルも頻繁に起こるようだ。とくに技能に見合わない「大きな車」を借りてしまうと、そのリスクも高くなる。
「小さい車だとそうでもないですが、ハイエースやミニバンなんかは長さがあるので、内輪差で巻き込みってパターンが多くて、大体の車両が左側面を傷つけられています。とくに大学生のサークルがスキーなんかでミニバンを借りていくときは、少し不安になることもありますね。
10人乗りのハイエースは普通免許で運転できるので、若い団体に人気がありますが、ぶつける割合はトップクラスだと思います。普通の車より1メートルくらい長いですからね、普通の免許でいけちゃうのはどうかと思うんですが」
免許を取って日が浅く、かつ運転の習慣がない状態で、取り回しのよくない車両は手に余る。「免許的にはOK」であっても、余裕を持って扱えるサイズの車を選ぶようにしたい。
「ぶつけたけど黙っておく」は最悪の選択肢
「車をぶつけたことを申告せずに返却しようとするお客さんもいます。貸し出すごとに傷の状態はチェックしているので、新しくできた傷をこちらが見落とすことはほとんどないんですが、指摘したときの反応で嫌な思いをすることもあります」
ぶつけた疚しさを隠すように、横柄な態度に出る者もあるようだ。
「コンパクトカーを借りていった年配の男性で、駐車するときにポールか何かにぶつけたのか、左後ろのバンパーに傷と凹みを作ってしまった方がいました。
返却時、車を止めるなり早足で店から出て行こうとするので、車両確認をするので待ってもらうよう声をかけると舌打ちされて……傷のことを言うと、最初は『知らない』と言っていたんですが、そのうち『ぶつけられた』『保険でなんとかなるでしょ』みたいに言い分が変わっていって。事故であれば警察に届け出ないといけないってことを伝えると、最終的には『親戚の家の駐車場でぶつけた』と言って、保険を使ってくれと」
レンタカーに限らず、事故があった場合には警察への連絡が必須である。電柱に擦るといった軽微な自損事故であっても、法律上は警察への報告が義務づけられており、レンタカー会社の事故受付センターにも連絡しなければならない。もちろん、その他の形で車両を傷つけた場合にも、レンタカー会社に申し出る必要がある。車をぶつけてしまった場合には隠そうとせず、正直に報告するのがもっともスムーズかつ本人のダメージも少ない。