「プリウスの燃費」にまさかのクレーム
レンタカーを借りる際には、基本的に利用する店舗にある車両を貸し出されることになるから、細かな仕様までは選べない。通常、客側もその点は承知しているから、車種や仕様に対して細かく要求するケースは少ないようだ。しかし、なかには貸し出された車両に対してクレームをつける客もあるという。
「プリウスを借りていったお客さんで、帰って来るなりガソリンスタンドの領収書をつきつけ『なんでこんなガソリン食うんだ!』と怒鳴ってきた人がいました。『燃費がいいから借りたのに、これじゃ詐欺だ』と言うんですが、走行距離とガソリンの量を計算してみるとリッター20km以上は走っていますし、何もおかしな点はありません。
しかし『リッター30kmは走るはず』と引き下がってくれず、どうやらカタログ燃費のことを言っているようで、なかなか話が通じません。
結局、店長が燃費集計サイトの資料を持ってきて説明していましたが……対応に1時間以上取られていましたね。後で店長が『メーカーに言ってくれよ』とこぼしていたのを覚えています」
メーカーのカタログに記載される燃費は、特定の環境下での試験結果にもとづく数値であり、実際の燃費を保証するものではない。現在では測定基準が変わり、以前よりも実燃費に近い数値が表示されるようになったが、走行条件により当然バラツキは生じる。
デートで「黄緑色の車」を出されて不機嫌に
その他、「車の色」も思わぬトラブルにつながることがあるようだ。
「レンタカーは基本的に色の指定ができないのですが、たまに出した車の色に微妙な反応をされることがありますね。10年くらい前ですが、マツダのデミオに黄緑色の車両があって……これは評判がよくなかったです。
カップルで来店したお客さんで、車両を見た彼女さんが『え……』みたいな反応で……なんとも気まずい雰囲気になったことを覚えています。心なしか、返却時のテンションも低かったように思います。車の色のせいではないことを祈りますが……」
確かに、勇んでデートに出発しようというときに、自身の好みと大きくかけ離れた色の車両を提示されれば面食らってしまいそうである。こればかりは仕入れた会社側の意図を知りたいところだが、しかし限られた車両を借りる以上、思った通りにいかないこともままあるわけだ。
レンタカーを利用する客は、単純に「サービスを受けるだけ」の立場にあるわけではない。契約内容をしっかり確認するとともに、車両の操作や管理についても責任を持つようにしたい。