奥川恭伸に導かれ、スワローズ内に“星稜帝国”が築かれる日

文春野球コラムペナントレース2021

2021/11/11

6人の星稜OB選手が今年のCSに！

　ヤクルトには、奥川（56期）以外に、1つ下の内山（57期）も在籍。そしてCSで、巨人と激突しているが、巨人には、北村拓己（50期＝僕と同じ十一屋小学校初のプロ選手！）、高木京介（44期）、そして奥川と小学校から高校までバッテリーを組んでいた山瀬慎之助（56期）がいる。

　パは楽天とロッテの戦いが終わったが、敗れはしたが楽天には打点王に輝いた島内宏明（44期）が気を吐いた。ちなみに星稜OBの打撃タイトルは、松井秀喜（29期）以外では、村松有人（27期　現・ホークスコーチ）の盗塁王のみだった。ロッテには、今年エース格に成長を遂げた岩下大輝（51期）がいる。

　なんと、現役のOB6人の所属チームが全部CSに出ているという奇跡！「ヤマザキ春のパン祭り」よろしく、ちょっとした「プロ野球秋の星稜祭り」の様相を呈している。星稜の稲置学園にスポンサーになってもらわないと……。

　僕は、小6でテレビ観戦した初出場以来、母校が甲子園で戦った66試合（33勝33敗）すべてを見てきた。入学した年の小松辰雄さん快投ベスト4、卒業した年の箕島との延長18回、明徳戦の松井5敬遠、山本省吾で帝京との決勝、など名試合もたくさんあった。

　そうして見続けてきたOBでプロ野球入りした選手は21人。現在、スワローズ内で高校OBの最大勢力は履正社の4人（山田哲人、宮本丈、寺島成輝、中山翔太）。続くのが、明徳義塾の3人（古賀優大、市川悠太、森岡良介1軍守備走塁コーチ）。そして星稜の2人となっている。ちなみに同じ石川県から、嘉手苅浩太（日本航空石川）、大松尚逸2軍打撃コーチ（金沢）も在籍していることもあるし、将来はスワローズ内に星稜帝国が築かれていく、なんて図々しい構想を持っている。

202x年、奥川に導かれスワローズ内に「星稜帝国」が築かれる！

　そんな華々しい活躍をしているOBに敬意を表し、プロ入りした歴代OBでオーダーを組んでみたいのである（年齢順。敬称略失礼します！）。

　奥川の活躍に引き寄せられるように、現役選手はヤクルトに移籍希望を出す！ OBだって我も我もと球界復帰で入団。こうして62歳から19歳までのドリームチームがお目見えし、これを「ヤクルト星稜スワローズ」と命名！これが僕の幻影である。

　若手をメインに据えつつ、退団組も実績考慮とポジションやりくりで。最初、松井をDHにせず高校時代のサードに置いてみたけどやりくりしにくく、ならば、ドーンと打つだけに専念してもらおうと。捕手としてヤクルト入団した内山は、高校1～2年の経験を買ってショートへ。

　7投手継投のアタマは奥川にバッテリーで山瀬。2番手・岩下に繋いであとは1回ずつ。最後はオールドファン歓喜の最年長・小松辰雄快速球で締めだ！

　どうだろう。大阪桐蔭、横浜、東海大相模、中日立浪監督誕生で沸くPL学園、等々のOBチームには総合戦力的に遠く及ばないながらもなんとか、ペナント争いに食い込めないだろうか？

　あ、まだ監督経験者がいないので、僭越ながら草野球監督歴ならそこそこ長い不肖・石黒謙吾（15期）が、小松先輩を差しおいてつとめようかと。

　実は、ここで小声で言うと、4年前に文春野球コラム中日で同じことやっていた……。

【星稜高校出身のプロ野球選手一覧】
小松辰雄［中］（14期）
北安博［洋-日］（16期）
若狭徹［中］（17期）
音重鎮［中-広-中］（18期）
湯上谷宏［南-ダ］（21期）
鈴木望［巨-日］（22期）
村田勝喜［南-ダ-西-中］（24期）
村松有人［ダ-オ-ソ］（27期）
松井秀喜［巨-MLB］（29期）
山本省吾［近〜オ-横-ソ］（33期）星稜中
辻武史［ダ-ソ］（34期）
北野良栄［ダ-ソ］（38期）星稜中
高木京介［巨］（44期）
島内宏明［楽］（44期）
西川健太郎［中］（48期）星稜中
森山恵佑［日］（49期）
北村拓己［巨］（50期）星稜中
岩下大輝［ロ］（51期）星稜中
奥川恭伸［ヤ］（56期）
山瀬慎之助［巨］（56期）
内山壮真［ヤ］（57期）星稜中
計21人