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日本の繁栄が好き

 タワマン住人の学歴は上位大卒以上だけで45%(男性では56%)であり、かなり高学歴である。全体では上位大卒以上は21%、中位大卒は23%である。

 過去10年で豊かになったかどうかでは、タワマン住人の63%が「豊かになった」と回答している。全体平均では33%だからほぼ2倍である。

 よって階層意識は全体では「上」が15%だが、タワマン住人では38%もある(女性では42%)。図表3‐28で見たように安倍政権評価は56%と高い。

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 日本の繁栄については「すでに繁栄の時代は終わっている」という人はタワマン住人では少なく36%(全体62%)、特に男性では24%しかいない(男性全体60%)。自分たちが日本の繁栄を築いている、これからも築いていく、と考えている人たちなのであろう。

 またタワマン住民はショッピングモールに行く頻度が多く「月数回以上」が52%(全体32%)。特に男性タワマン住民は60%である(男性全体31%)。タワマン住民はタワーマンションに住み、ショッピングモールに行くという新しいライフスタイルが好きなようである。

持って生まれた資質と生まれが大事だと思っている

「今の社会でうまくやっていくために、人間に必要だと思うものをいくつでも選んで下さい(複数回答)」という質問では、特に男性で全体平均より高い項目が多い。「自分の生まれた家の経済力や親の学歴」「遺伝的な良さ」「外見の良さ」が多い。個人の努力ではどうしようもない部分を大事だと思っているのである。

 また「美意識」「語学力」「雑談力」「友人の多さ」「人の気持ちをつかんで引っ張るリーダーシップ」「幅広い人脈」「周囲を楽しませる明るさ」も多い。実に多様な能力・資質が必要だと思っているのだ。だが女性では「遺伝的な良さ」以外に全体より多い項目はなかった。

 このようにタワマン住人の特に男性は、親の代以前から優秀・高学歴・高年収の階層だったことをうかがわせる。タワマンはかつての「山の手」の性格を受け継いだ現代のエリートたちの住処(すみか)なのだ。