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『タイタンライブ』に来場したビートたけし

 だが今年8月25日の同公演でも予定されていた梅春のサプライズ出演は結局、ドタキャン。伝統芸「たけしのズル休み」にしてヤラれた!

 そのため、今回、太田が連日、繰り返し念を押すのも無理はなかった。テレビはもちろん、こうした生の舞台、演芸の世界でも無断欠席や休演は当然のことながらご法度だ。立川談志やビートたけしは、この掟破りを確信犯的に自らの行動でネタにしてみせ、周囲を翻弄してきた。

 いったい、今回はどうなる!?

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 迎えた注目の10月13日――。殿は立川梅春として無事に『タイタンライブ』の舞台に現れた。予定通りに来場しただけ、ただ「ズル休み」しなかっただけ、それなのに、満員の客席からやんややんやの大喝采を浴びた。 演目の『大工調べ』のオチは、大岡裁き『三方一両損』に改められた。

©iStock.com

「細工は流流仕上げを御覧じろ」数週間に渡る殿の仕掛けに振り回され続けてきたボクも太田も、殿裁きの見事な結末を見るにつけ「三方一両得」を実感したのだった。

その後のはなし

 2018年10月17日、さいたまスーパーアリーナで開催予定だった沢田研二のコンサートで9000人の客入りが7000人しか集まっていないことに憤慨した本人がコンサートをドタキャンしたことがあった。この件について、総じてジュリーに対する批判的な論調が繰り返された。対してビートたけしはテレビ出演をドタキャンしたのに、テレビ局のスタッフから感謝されたり、数々のズル休みが後々、笑い話になったりと、怒られるより呆れられる「しょうがねぇなぁ」のポジションを作り上げてしまった。

  TBSの『情報7days』でこのジュリー問題が取り上げられた時、殿は「年を取って、有名になって売れてくると、だんだんと図々しくなるんだよね、私もそうですけど。売れてくるとだんだん天狗になってきて『客少ないじゃないか』とかやるよね」と、少なからず同情を示した。

 無論「おばけが怖いから休む」の理論が、この場では通用しないことも重々承知であった。

 太田光とは、この1週間の共演から今までの長い交戦状態が一転雪解けして、むしろ懇意になれると思っていたが、思わぬところから火がつき再び開戦することに。ナイナイの岡村隆史を巻き込んで、またバチバチの論敵相手になってしまった。芸能界にいて、これほどプライベートの趣味嗜好が近いのにバチバチの因縁を持ち続ける理由は何なのだろう?

【後編を読む】「松本人志、嫌いなの?」「大嫌いですよ!」“国交断絶”の松本人志と太田光、ガチンコ発言を笑いに変えたスリリングな芸

 

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