長年“国交断絶”状態にあったダウンタウン・松本人志と爆笑問題・太田光。2014年の『笑っていいとも  グランドフィナーレ』では、奇跡の共演が実現し、お笑い界に激震が走った。

 互いに冠番組を持つ松本と太田のアンタッチャブルな確執はなぜ生まれたのか。2人の実像を、水道橋博士が芸人の姿を紹介した書籍『藝人春秋Diary』(スモール出版)より一部抜粋して紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)

 

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「水道はシメたらなあかんわ。」

「ズルいのは水道橋だわ! 自分の手を汚さず、人を焚き付けてるよね!」 

 2017年10月8日――。

 日曜日の朝、フジテレビ『ワイドナショー』の冒頭で松本人志さん(以下、敬称略)が獅子吼した。「アイツは悪い!水道はシメたらなあかんわ。1滴も出ないように、しっかりシメないと!」

 その横で司会の東野幸治は「水道橋さん聞いてますか? シメます!」と、実に楽しげに悪ノリ報告した。

 朝からテレビの前でボクは笑いつつ、かつての因縁を内包させた「水道(橋)=閉める(シメる)」という掛詞に「上手い!」と唸った。

 松本人志がボクの「排除」を宣言したのは、10月初旬に5日間生放送された、テレビ東京『おはよう、たけしですみません。』内で起きた、とある一幕に対してのことだった。

 番組では、不倶戴天の敵同士であるボクと爆笑問題・太田光が、18年ぶりにテレビ共演を果たした。

 このキャスティングをあえて命じた殿(ビートたけし)は生放送中「犬猿の仲が仲良くなることくらい強いものはない」と2人を諭したが、それに応えてボクは「じゃあこの席もボクを抜いて、松本人志を置いてください!」とやり返してしまった。

 太田光にボク以外の共演NGがいることを初めて知った殿は「ん!? 松本人志、嫌いなの?」と振り返り尋ねると「大嫌いですよ!」と太田は即答。間髪を容れず「だ・か・ら! 言わすなよ! 問題になるんだから!」と声を荒げてボヤいた。

 そこで最終日にボクが、「この番組で結局一番損をしたのは太田くんだよ」と釈明すると、太田は「あれ、昔の話ですよ。私が全部悪いんです。それで怒られた。ようやく雪解けかっていう時に ......博士に言わされた。松本さんは大好きですよ!」と反応した。