「あいつらに止める権利はない」「別に捕まってもいいから」
深夜2時、渋谷の「ドン・キホーテ」周辺には、横浜、、千葉、多摩といったナンバーの、車高が低い車やワンボックスカーが集まっていた。車内からはアニメソングやヒップホップ、クラブミュージックが大音量で流れている。
夫の運転で、赤ん坊と一緒に千葉からやってきたという母親は、「千葉からハロウィーンを見に、友人たちと子連れでドライブしながら来ました。朝まではいないと思います。子供たちは音や人も平気ですから」と答えた。
大音量を流す車のもとには、次々と警察が駆けつけ注意していたのだが、一部のドライバーは警察にも喧嘩腰だった。「ウゼー」と繰り返し、「あいつらに止める権利はない」「別に捕まってもいいから」と強がっていた。
深夜3時、警察官は路上でテキーラを販売していた飲食店ともめていた。渋谷区は10月30日と31日には路上飲酒の自粛に加え、コンビニなどでの酒類の提供の自粛を求めている。記者は警察ともめる前にこの飲食店の人間から話を聞いていた。彼らがテキーラを堂々と売っていた“理由”は以下の通りだった。
「ここは路上でなく、ビルの敷地内で、1段上がっているエントランス部分だから(酒の販売は)大丈夫。1杯800円で50杯くらい売れました」
店の周りでは、テキーラを一気飲みした若者がたくさん酔いつぶれていた。
女性に突然男が抱きつき、無理矢理キスを迫るトラブルが
この店舗の周辺では、ほかにも泥酔者が多くいた。ゼブラ柄の服を着た女性に突然男が抱きつき、無理矢理キスを迫るトラブルが起きていた。男はキスをした後、仲間とハイタッチをしていた。
始発が動き出した午前5時過ぎ、ラストスパートをかけた多くの男性たちが、駅にむかう女性に声をかけていた。ホテル街の方向に女性の手を引いて連れて行こうとするシルクハットの男性もいた。
午前6時ごろ、ハチ公前に1台の救急車が止まった。
「2時間前にここを通った時に寝ていた男性がまだ眠っていて、痙攣していた。何かあったらいけないと思って救急車を呼びました」(通報者)
男性は救急隊員の呼びかけにようやく意識を取り戻したようだった。
この時間になるとさすがに駅に向かう人も増え、仮装をした若者の姿は街からほとんどいなくなった。交番前では財布をなくしたという若者が列をつくっていた。
そして、宴のあとのセンター街には大量のゴミが溢れていた。街のいたる所で、酒の空き瓶や空き缶と共にエナジードリンクの空き缶やカップラーメンの残骸、コンビニのホットスナックの袋が散乱していた。脱ぎ捨てられたチャイナ服もあった。
ゴミは清祥業者やボランティアによって片付けられ、午前7時には“祭り”の雰囲気はすっかりなくなった。
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