文春オンライン

備品を堂々と持ち帰る、女湯の暖簾をバっとくぐって「間違えました!」…本当にいる、スーパー銭湯の「ヤバい客」

常連が牛耳るスーパー銭湯のヤバい客

2021/11/11
note

 広いお風呂にサウナや岩盤浴、そしてお休み処にマッサージ…と、庶民が気軽に楽しめるリラックス施設「スーパー銭湯」。その定義は特に定まってなく、一般的な銭湯と「健康ランド」と呼ばれる大型施設の中間的存在とされている。

 1990年に名古屋で開業した施設が「スーパー銭湯」の先駆けといわれているので、まだ30年ほどの歴史しかないが、いまや全国に数多くのスーパー銭湯が運営されており、人気を集めている。それだけに、さまざまなタイプのお客さんが訪れるようで、なかにはちょっと困った人たちも……。そこで実際にスーパー銭湯で働いていた山下友介さん(仮名)に困ったお客さんについて話を伺った。

©️iStock.com

注意するかどうかの線引きが難しい

「私が働いていたスーパー銭湯は業界内では中規模くらいの施設で、お客様はまさに老若男女、あらゆる世代の方々に来ていただいてました。土日はご家族連れがほとんどで、平日の昼間は高齢者の方、夜になると若い方も増えます。深夜帯は、お休み処で勉強されている学生さんも多いですね」

ADVERTISEMENT

 お客さんのなかには、常識外の言動をする人もいるが、入浴施設というセンシティブな環境なだけに、注意するかどうかの線引きが難しいという。

「完全なルール違反だったら注意できるんですけど、明文化されていないマナー違反のような行為も多いんですよ。モラル的にNGとか、常識的に考えたらそれはないだろう、ということをされると困りますよね」

女湯の暖簾をバっとくぐって「間違えました!」

 やはり多いのはセクハラの類だ。

「男性のお客さまが、女湯の暖簾をバっとくぐって『間違えました!』と、すぐに出ていくとか。本当に一瞬だから、女性側は『え!』となって終わりで、警察を呼ぶまでの事態にはならないんです。でも、ウチのお風呂への入り口は廊下になっていて、手前が男湯で奥が女湯。男性客がわざわざ男湯をスルーして女湯まで行くことはないと思うんですけど……」

 “確信犯”かもしれないが、微妙な行為であるがゆえに咎めることができないケースはこれだけではないという。