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備品を堂々と持ち帰る、女湯の暖簾をバっとくぐって「間違えました!」…本当にいる、スーパー銭湯の「ヤバい客」

常連が牛耳るスーパー銭湯のヤバい客

2021/11/11
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「女風呂の暖簾の前には夫婦やカップルの利用者様が待ち合わせすることを想定してベンチを置いているんですが、そのベンチに独りでずっと座っているおじさんがいるんです。特に誰かと待ち合わせしてる様子もなく、何時間も独りで座っている。たぶん、湯上がりで出てくる女性を眺めてるんだと思うんですよ……。

 実際にお客様から『あそこにずっと座っている男性は何なんですか』というクレームもあるんですけど、そのベンチにずっと座ってはいけないというルールはないので注意もできない。ただただ迷惑ですね」

化粧水を小瓶に詰め替えて持ち帰り、脱衣所にスマホの持ち込み…

 完全な「ルール違反」は備品を持ち帰ってしまうことだ。

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「タオルやアメニティを持って帰ってしまう人はけっこういますね。小さなタオルくらいなら、ついうっかりということもあるかもしれません。でもバスタオルや洗い場の備え付けのシャンプーやリンス、パウダールームにある化粧水などを自分で持ってきた小瓶に詰め替えて持って帰る人がいるんです。窃盗になると思うんですけど、これは男湯よりも女湯のほうが、被害が多いですね」

 明文化された禁止行為は、タトゥーの入った人の入浴やスマホの持ち込みだ。

「スマホは脱衣所で出すだけでもダメです。女性が女湯でスマホを見るくらい、いいじゃないか、と言われることもあるんですけど、男性に金銭等で依頼された女性の盗撮犯というのも多いんですよ。タトゥーは若い女性でも明らかに隠しながら入浴されている方が少なくありません。そこまで気にされるなら、ご遠慮されたらいいのにとも思いますが……」

©️iStock.com

お客さんからのクレームも

 明らかなルール違反はスタッフが注意するが、目撃したお客さんからクレームが入ることも多い。

「これも禁止行為なんですけど、洗い場で髪を染める人もいる。バレないように出入り口から死角になる位置を選んでやってるんですけど、排水が着色されてしまうのですぐバレます。あとはムダ毛処理。脚くらいまでなら賛否が分かれるところですが、脇や股間まで剃ってる人がいるんです。これは周りで目撃したお客さんからよくクレームが入ります。

 その場合、スタッフが注意しにいくんですけど、これも明文化されていないグレーゾーンな行為だと難しくて……。例えば、脱衣所の椅子にタオルを敷かないで裸のまま直で座っているお客様がいらっしゃったみたいで、それを見た他のお客様から『注意してほしい。それと椅子を消毒してほしい』と呼び出されたりするんです」