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「盗む時のアドレナリンの放出が忘れられない」危険な半グレ窃盗団の“鉄の掟”「3分で強制撤収」「あ、と言ってもダメ」ルールの狙いとは?

実在する「情報屋」の真実 #2

genre : ニュース, 社会

 警察庁が2020年に認知した刑事事件のなかで、全体の7割弱を占めるというのが「窃盗犯」による事件だ。 

 ただ、その窃盗事件の昨年の41万7316件という数字は前年比で2割減となっている。これにはコロナ禍が大きな影響を与えている。在宅勤務が増えたことで家に人がいる時間が多くなり、結果的に窃盗事件の被害が減ったのだ。

 そんな状況の中で、窃盗団にとって大きな意味を持つのが犯罪実行前に情報をもたらしてくれる「情報屋」の存在である。(全2回の2回め/#1を読む

愛知県警本部 ©文藝春秋

コロナ禍で稼げる額も減り、“収穫”を過少申告する場合も…

「情報屋なしにランダムに空き巣をすれば、当然住人との遭遇リスクは高まります。コロナ禍なら尚更でしょう。自分たちの場合は、情報屋に手に入れた金の3割を払っていましたが、決して高すぎるとは思いませんでした」

 そう語るのは“半グレ窃盗団”元関係者だ。一般人にとっては恐ろしい存在の情報屋だが、上述のコロナ禍もあり、現場では情報屋に対して“収穫”を過少申告し金をくすねる者も増えていたという。

「現場には1人で侵入することは基本的にありません。情報屋が『本当はもっと金があったのではないか?』と疑うことになりますし、金額の確認の意味も込めて2~4人程度で入るのが普通です。盗んだ金は現場ではベテランか、経験が少ないかなど立場にかかわらず、平等に分けていました。こっそり見つけた金をポケットに入れるやつはいましたよ。時計を持ち逃げしようとして上にバレたやつは、泣く泣く溶かしてました。

 複数で入ると、部屋ごとに担当が割り振られるので、相互監視の目が行き届かないんです。例えば、一番貴重品がある確率の高い寝室はベテランが担当し、キッチンやリビングなど比較的可能性が低いところは経験が浅いヤツが担当していました。現場から離れたところに逃げる際の“足”となる車を1台止めていて、その運転手は見習いが担当していましたね。もちろん盗難車でしたが…」(同前)