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旅行好きでどうしてもやりたかった。だって僕海賊なんで(笑)

「週刊少年ジャンプ」の王道の人気作品「ワンピース」の登場人物であるエースと「ドラゴンボール」のベジータに扮した20代男性の2人組にも話を聞いた。エースの姿に扮した男性は大学生で、最近大手旅行代理店への就職が内定したという。

エースとベジータ ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

「選挙は行きました。政治に望むことは『GoTo』を早く再開してほしいです。同期は例年の5分の1くらいの人数で、ここ数年はボーナスも厳しいと言われました。でも旅行好きなので、どうしてもやりたかった。だって僕、海賊なんで(笑)」

「Re:ゼロから始める異世界生活」のキャラに扮した女性たち ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

「投票は行きました。私たち美容師で職場の同僚なんです」

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 人気アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」のキャラクターに変装した女性たちには、たくさんの写真撮影を求める男性が群がっていた。

同じ犬柄の服を着た女性にアタックするコスプレ男性 ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

「選挙よりハロウィーンを優先させたのに……」

 日付が変わり、終電時間が近づくと、街の熱気もピークを迎えた。首輪をつけ、地べたを這いずり廻りながらお散歩をする犬姿の男性2人組は、同じ犬柄の女性集団をみつけると、食いつくようにインスタグラムのアカウントを聞いていた。

「20人くらいと写真を撮りました。50人を目指します。投票は行ってないですね、政治に求めること? 税金の廃止です」(建築現場関係で働く20代男性)

キャプテン・アメリカのコスプレ男性 ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

 2ヵ月かけて衣装を用意し、「ハロウィーンにかけてきた」と語るキャプテン・アメリカのコスプレ男性も投票には行かなかったという。

「友達にドタキャンされて一人できました。選挙よりハロウィーンを優先させたのに」

派手なアメリカンポリス姿の女性 ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

 派手なアメリカンポリス姿の女性は、投票を済ませたあとに渋谷に来た。

「私、チャラそうに見えて結構真面目なんです。地元の駅前の演説が熱くて誠実そうだった人を選んだ。これから先の日本を明るくしてくれたらいいな」

渋谷の街を掃除する人たち ©文藝春秋 撮影・細尾直人

ハロウィーンに来た若者の投票率は37%

 午前2時、徐々に人が減り始め、街のいたるところでは掃除が行われていた。だが、一部の若者は酒を求めてクラブ街へと流れ、路上飲みも相変わらず横行していた。円山町の周辺はカオスとなり、こうして2021年の渋谷ハロウィーンは喧噪のうちに幕を閉じたのだった。

深夜の円山町 ©文藝春秋 撮影・細尾直人
ゴミが散乱する円山町

 結局、「投票に行った」「期日前投票をしていた」と答えた若者は74人、「投票に行かなかった」「行けなかった」と答えた若者は126人(※17歳以下の未成年6人を含む)。ハロウィーンに来た若者たちの投票率は37%だった。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。