文春オンライン

口コミサイトは間違いだらけ…東秋留の“昭和から続く中華料理屋” 「550円のラーメン」は王道の味だった!

B中華を探す旅――東秋留「かんた楼」

2021/11/11

genre : ライフ, グルメ

note

出てきたラーメンは……

 北林さんの動きには無駄がなく、見ているだけでも気持ちがいい。厨房もピカピカで、そのことを指摘すると「いやいや。それだけ暇なんです(笑)。そんなに汚れないんです」と謙遜するが、きちんと掃除していることは明白だ。

 さらに、もうひとつ印象的だったことがある。先ほど頼んだビールや餃子もそうだったのだが、カウンター越しに差し出すのではなく、その都度ホール側に出て運んできてくださるのだ。

 

 ラーメンも、やがて同じようにして運ばれてくる。お店の場所は八王子から遠くないが、いわゆる八王子系ではなく、王道の東京ラーメン。スープの色は濃く見えるものの、味はすっきりまとまっている。福生の「やまぶん」という製麺屋から仕入れているという麺との相性も抜群だ。

ADVERTISEMENT

 あとから出てきたチャーハンも、見た目からしてすばらしい。玉子、ネギ、ナルト、肉がたっぷりと入り、てっぺんにグリンピースが乗ったチャーハンらしいチャーハン。味つけのバランスもよく、充分な満足感を与えてくれるのである。

 
 
 

ラーメンは「大衆的なもの」

 単品だとラーメンが550円、チャーハンが650円(セットで950円)と聞くと、その安さには驚かずにはいられない。人手のない現在は出前をしておらず、持ち家で単身だからこそできることなのだという。

「(高い値段をつけている店は)それなりのものを出してるんだろうし、家賃も高いから大変だろうと思うけど。でも、そもそもラーメンは、寿司とかそういうのと違って大衆的なもの。だから、高い値段がつけられないんでね。お客さんにも『高くしろ』といわれるんだけど」

「食べていければって。それでもそんなに楽じゃないんだけども(笑)。でも、元気でこうやって仕事ができてればいいかなという感じで」

 道に迷ってまで来たかいがあった。もしも近所にあったなら、毎週通ってしまいそうな王道のB中華だ。

【B中華の定義】
・大前提の昭和感
・ビールと餃子で落ち着ける
・店主や常連さんと仲よくなれることが目標
・もちろんラーメンにも期待
・ただし雰囲気重視なので、味には妥協してもよい

 

撮影=印南敦史

INFORMATION

かんた楼
東京都あきる野市二宮1495-6
営業時間 12:00~20:00
定休日 金曜日

餃子 450円
ラーメン 550円
チャーハン 650円
セットメニュー チャーハン・餃子(6ケ) 950円
ビール 450円

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。

口コミサイトは間違いだらけ…東秋留の“昭和から続く中華料理屋” 「550円のラーメン」は王道の味だった!

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー