「平井さんのドキュメンタリー映画が見たいです」には苦笑い
10年ぶり? そういえば自民党が民主党に政権交代された選挙は2009年で12年前のことだ。平井氏も小選挙区で落選していた。店のおばちゃんの「10年ぶり」というのはもしかしてその時以来ということなのか。とすると今回は…。
そんなことを思いながら観客がいないパレードは終わった。「ミッキーマウス」が自分から近づいてくるのを遠巻きに見る人たち。選挙運動ラストの1時間という劇的な状況だったがそこに熱狂はなかった。四国新聞の「パレード」という表現はかなり盛られていたことを確認した。誰も話しかける人がいないのを確認し、私は平井候補に声を掛けてみた。
「手ごたえはどうですか」
「……ん」(平井氏)
会話のきっかけとして無難な質問をしたつもりだったが、まさかの間(ま)が空いた。
「平井さんのドキュメンタリー映画が見たいです」と言ったらこちらも間があって苦笑いで返された。
最後に記念写真をお願いする。私は平井候補に無事会えるようにワニのTシャツとトレーナー(ラコステ)を買って着ていた。平井氏は国会の審議中にワニの動画を見ていたことで話題になったからだ。「ワニが好きで」と釈明していた(毎日新聞WEB2020年9月23日)。なので「ワニ大臣」に会うためのマナーである。念願叶い、やっと会えました。
「まつり」の最後に「失われた夏まつり」があった
本来は平井候補のパレードを見た時点で本日の予定終了だったが、まさかこんなに閑散としているとは私たちもショックだった。せっかく「まつり」を見に来たのに…。物足りなくなった私たちは急遽小川候補の「マイク納め」の演説を見に行くことにした。現地のスタッフに聞くと車でも15分ぐらいはかかる可能性もある、ギリギリかもと。それでもすぐにタクシーをつかまえて行ってみた。まつりなら最後まで踊ってみようじゃないか。
高松市円座町。小川候補が育った場所である。タクシーの窓から市街地ではないのに続々と人が集まってくるのが見えた。先ほどのパレードが人工的なものだとしたらこちらは夕飯後に夏まつりに自然に集ってくる近所の人々、という雰囲気がぴったり。各所で笑いもあった。失われた夏まつりがここにあったのかもしれない。同じ市内でこうも違うものかと驚いた。
翌日、投開票日。
夜8時早々に小川淳也の当選確実が報じられ、平井卓也は小選挙区で落選となった。
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10月31日の開票日の各事務所の様子、大島新監督とのトークライブなど、さらに詳しい報告は配信ライブ「香川1区ナンデス」でご覧ください。
【11/8(月)23:59まで】視聴可能です。
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