ーー「バレエを活かせるかも」というビジョンは、ご自身のなかで明確なものが。
尾花 当時はほんとに漠然としていたので、「こうしたい!」というのはなくて。ただ、芸能界という舞台で、これまでの経験を活かせるんじゃないかって。そう簡単にはいかないという現実を後々になって知るんですけどね。
「別に芸能人一家ではないし…」二世公表の葛藤
ーー事務所の方は、お父様のことはご存知だったのでしょうか。
尾花 事務所も知らなかったし、私も父のことを言う必要なんてないと思っていて。事務所に入って数ヶ月したら、「そういえば、尾花って名前は珍しいよね」という話から「尾花っていえば、野球にいたよね」となって、「野球の尾花の娘なんです」「えー、そうだったの!」って。
ーー事務所の方はお父様の存在を押し出すのもありだと判断されたそうですね。
尾花 私はちょっとだけ抵抗があったんですよね。というのも、面白いエピソードがないので……。
ーーあの王貞治からお小遣いをもらうという経験も滅多にないですよ。しかも、ドル札で。
尾花 大きくなってから偉大な方だと知って、びっくりしました(笑)。こうやってインタビューをお受けしたりすると、気付かされます。
たとえば、食事はよく驚かれます。ご飯類は基本的に食事の一番最後に出てくるので、遊びに来た友人が食事をした時に、なかなかご飯が出てこなくて困惑したということもありました。